第六話【彼女の優しさ】
私たちは取調室で警察から事情を聴かれていた。
「家出少女と分かっていて何故、保護したのですか?」
正直、言っている意味が分からなかった。
家出少女?
きっと二人がそう言って捜索願を出したのだろう。
私も夫も怒りでおかしくなりそうだった。
相変わらずの最低な親たちの元に帰したくないと思った私たちは
幼いころから彼女は虐待されていたこと
殺されかけて必死に逃げてきて、私たちが保護したこと。
偽りのない真実を包み隠さず、全てを話した。
警察は信じてくれなかった。
でも私たちは引き下がらなかった。本当だと訴え続けた。
しばらくして岡田と名乗る警察官が入ってきた。
「彼女が虐待されて逃げてきたと言っているのですが…」
どうやら彼女も警察署に着いて
本当のことを話したらしい。
「そうです。逃げてきて公園で泣いている彼女を夫が保護しました。」
やっと私たちのことを信じてくれた。
「彼女は親の元へ帰るのですか?」
「いえ、その事実が分かった以上、帰しません。警察で保護します。」
きっと私と一緒で施設に行くことになるのだろう…。
同じことは繰り返させないと決めていたのに
また繰り返してしまった。
彼女はきっと人を信じられなくなるだろう。
本当に申し訳ないことをした…
その後、私たちは厳重注意で済み、家に帰ることが出来た。
帰ってきてから夫と二人でしばらく泣いた。




