第二話【決断】
鍵を開けると、夫とその彼女が立っていた。
彼女の痣は想像以上に酷く、とても痛々しくて胸が張り裂けそうだった。
とても不安そうな彼女を見て
私がこんな顔をしていてはいけないと思い、笑顔で迎え入れた。
彼女は、自分の分のご飯もあると思っていなかったらしく、とても驚いていた。
ご飯を食べながら詳しく話を聞いた。
彼女の名前は笹倉有紀ちゃん。中学三年生。
父親に殺されると思った彼女は、必死にこの街まで逃げてきたらしい。
この場所は、全然知らないらしい。
知らない場所の方が父親たちが突撃してくる心配が無いし、安全だろう。
有紀ちゃんは、学校に好きな人が居るらしいが、親が突撃してくるかもしれないから
学校に行くのが怖いと言っていた。
安全の為には、学校には行かない方が良いだろうと思い、彼女にもそう伝えた。
彼女もここに居た方が安全だと思ったのか、納得していた。
先にお風呂に入れてあげた。
家で早く上がれと言われていたのか、めちゃくちゃ上がってくるのが早くて驚いた。
「ゆっくり入っていいよ!」
と伝えたら泣きながら喜んでいた。
そんな彼女の表情を見てずっと怖くて辛かったんだろうなぁと泣きそうになった。
(絶対に私たちは悲しい思いをさせない)
そう夫と心に決めた。




