とある国の姥捨て山
上司にはめられ仕事をクビになった男がおりました。
男は30を過ぎ、彼女も居らず、貯蓄も無し。アパートは火事なり棲むところも在らず、途方に暮れて山へと向かいました。山なら自給自足で生活出来るのではないかと考えたからです。
その山は人が滅多に寄りつかない迷い山でありましたから、人の手は殆ど加わっておらず、道も険しく、登るのはかなり辛く何度も転びました。
男は獣道を見つけました。
そして、その獣道は大きな洞窟へと繋がっており、男はそこで耳の長い女達と出会いました。
「……だ、誰だ!?」
「我々はエルフ族の者。しかし皆、年老いた故にこの山に捨てられたのだ……」
男は我が目を疑いました。いくら年老いたと言っても長命名エルフ族の人達は、男にとっては若々しい姿に見えたのです。
「いや、俺には20代のお姉さんにしか見えないのだが……」
「針に糸も通せない。筋力も年々弱まり、遠くが見えなくなってきている。もう立派な年寄りじゃ」
男は暫し考えました。そして一つの結論に至りました。
「これ、ハーレムいけね?」
男は何を思ったか、その場に居たエルフ族の老人全員と暮らす事を決意し、老エルフ達全員と結婚しました。
毎日見た目は若々しいエルフ達に囲まれ、しかも次々と新しい老エルフ達が山に捨てられるので、男は女に困ること無く、余生を山で過ごしましたとさ。
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