綾音さんと買い出しのお誘いメール
暑い中、頑張ってクレープを焼いていると、綾音さんとギャルさんが買い物袋片手にやって来た。
ショッピングの帰りらしい。今度海に遊びに行くから、水着を見に行ったとのこと。
なんとも夏らしい事で。
しかし海か。もう何年も行ってないなあ。海で泳ぐ綾音さんはきっと可愛いだろうな。
「ヒラヒラした水着、似合うと思うよ。赤とかピンクとかの」
「にゃっ、なんて事言うのよ!?」
「安心して良いよ、綾音ってばそういうの見てたから」
「余計な事言わないで!!」
綾音さんがギャルさんにプンスカ怒っていた。まあこれだけ暑いと、怒りっぽくもなるものだろうな。
「それでさぁ、胡桃も一緒に海に行かない?」
ギャルさんが誘ってくれたけど、どうしようか。バイトも入ってないし、予定もないけど。
しかしそうなると水着。ちょっと考えちゃうなぁ。
でもこういうの出来るのは今年だけだろうし、行くか海。
「お、行こ行こ! 後のメンバーは私の彼氏と、新藤君とお姉さんだよ」
あれ、これは最初から外堀が埋められてたパターンかな。というかギャルさん彼氏いたのか。
青春だな。
後日、ギャルさんの彼氏くんとも顔合わせも含めてみんなで遊ぼうだって。
おお青春だな。
チラリと姉を見ると、偶には海行って思いっきり魚介類食べたいとか言ってる。社会人にも夏休みは必要なのだとか。何だかなあ。
ただ姉が特別ボーナスといって、バイト終わりに水着代をくれたのは良しとしよう。でも何処で買えば良いんだ、水着。
イケメン君に聞いてみるかと思ってたら、綾音さんから夜にスマホにメッセージが届いた。
おお、海に行く時の必需品のお知らせだった。これは天の助けだ。
綾音さんにどこで買えばいいかわからないから、荷物持ちだって何だってするから、水着と必需品を買うの付き合ってとお願いしてみた。
海なんてもうずっと行ってないから、全然わからないし。綾音さん面倒見良いから、絶対色々教えてくれそうだし。
日程と時間の相談をして、ギャルさんの彼氏くんと遊ぶ日に、ちょっと早めに待ち合わせして見て回ろうって事になった。
ギャルさん達と遊ぶのは昼過ぎからだし、大型ショッピングモールでだからちょうど良い。イケメン君も午前中は部活だっていうし。
相談ついでに聞いてみたら、なんでもギャルさんと水着を見たけど、綾音さんは買わなかったそうな。去年の水着があるから。
おお、そういうものなのか。
でもやっぱり気になるし欲しいかもと迷ってたので、じゃあ一緒に水着も選ぼうよと言ってみた。メールでだけど。
なんだかしばらく返信が止まっちゃったけど、わかったって来たから良かった。




