Prologue
やっと話がまとまりました。プロローグなのでとても短いです。
大国ノロジー帝国の第一皇子であり帝位継承権第一位のアヴァン・オムリビオン・ノロジーは生まれた時から何もかもを持っていた。
絶対的権力、金銀財宝、美しい顔、淡麗な容姿、聡明な頭脳、強者につけられる武勇の肩書。
これだけ聞くと彼はまさに非の打ち所がない皇子、皇帝の息子であった。
しかし、そんな彼の欠点は女癖と酒癖の悪さであった。
今まで大国だからという理由で見合った婚約者が居ず彼は親父に任されている政務を片手間にこなしながら毎日違う美女を愛で美酒を飲みながら自由に過ごしてきた。
そんな彼は今年で25歳にもかかわらず結婚相手も決めず将来への危機感も何も持たず毎日美女を腕に抱きながら酒を煽る日々を送っていた。
其れもそのはず、父である皇帝クルー・シャンフ・ノロジーは持病の一つも患っておらずこの間50歳の生誕祭を上げたばかりで健康そのもの。
また皇帝の座を誰かへ譲ろうという意思もなく、帝位継承権第二位の弟テオール・ルー・ノロジーは留学という名目で旅に出ていて今のところ帝位も安泰。
仕事もしっかりとこないしているので仕事面だけでは臣下からの信頼もある。
彼は今行っている生活習慣を毛頭変える気はなかった。
しかし、そんな仕事をするだけの機械のように向上心のない息子を父であり皇帝のクルーは改善させようとアヴァンに早急に婚約者を作るように命じた。
皇帝は息子はろくに恋愛をしたことがないだろうと気遣い、婚約相手は作る後宮から選ぶようにとさらに命じた。
それから半年が経ったがアヴァンは相も変わらず後宮に来た身分の近い美しい令嬢と共に前のような生活を送っていた。