1 前世の記憶
初投稿です。ドキドキします!
おはようございます。まだ朝なのに呆れてるリリ・フェースナです。
ええ、そうですね。あの、コースター様、冗談ですわよね。婚約破棄なんて、そんなわけないわよね。
「聞こえなかったか!?貴様とは婚約破棄する!」
はぁ。やりやがったわ。
さて、改めまして、フェースナ家が次女、リリ・フェースナと申します。
今は、まぁあのコースター様に婚約破棄(?)されているところです。
本当にどうしてくれるのかしら。お父様には申し訳ないけど、わたしだってあなたと結婚したくはないのよ。
しかしね、わたしたちは貴族なのよ。勝手に婚約を破棄すると、お家に迷惑がかかっちゃうのよ。わからないのかしら。わからないのね。
ーーーーーーー時は遡り、11年2ヵ月前ーーーーーーー
「はぁ。やっと仕事終わったわ」
あの夜、わたしは仕事を終え、帰るところだった。
それは突然のことだった。わたしは、家に帰る途中で、トラックに轢かれたのだ。
ーああ、わたし、死ぬのね。
そう思ったわたしは、目を閉じた。そして、目を開けた瞬間、わたしはーー
「オギャアー!ウギャァー!」
「産まれたのか!?よくやった!シア!」
「うっ、この子が、私たちの子なのね!」
「そうだよ、シア!よくやった!」
え?どういうこと?
ん?わたしが、この知らない人たちの子供!?
ていうか、ここどこ?
わたしは、自分がどういう状況に至ったのか、まったくわからなかった。
ーーーーーーーーー約一週間後ーーーーーーーーーー
転生(?)してから約一週間後、わたしにはいくつかわかったことがあった。
まず、わたしはおそらく転生したということ
そして、フェースナ家とかいう貴族のお家の次女で、リリという名前だということ
最後に、前世のわたしは多分死んだということ
死んだという確証はない。でも、わたしが今、異世界に赤子としていることから、おそらく転生したということがわかる。
つまり、前世のわたしは死んだということになる。
前世のわたしが死んだ後がどうなったか、気にならないといえば嘘になるけど、まあ知ったところでどうなる?って話だよね。
「あー!だー!」
ちなみに、まだ赤ちゃんのわたしは、しゃべれないらしい。
それから6年後、わたしとコースター様の婚約が決まった。
政略結婚だった。貴族である以上、これくらいのことは仕方ない、と覚悟していたつもりだが、まさか婚約者がそんなダメだったなんて。
そして、この5年間、6から11まで、わたしはずっと淑女教育を受けていた。
学んだ知識は、これからも活かせるし、学んだのが無駄になったわけじゃないと思う。その知識のおかげで、才女や淑女の称号をもらったわけだし。ただ、わたしは侯爵夫人になるために学んだわけで、目標がなくなったみたいで、ちょっと寂しい。
まあ、今それを嘆いたって仕方ないわ。やっとあの婚約者と婚約破棄できるのよ!
------------------------
「おい、聞いてんのかー」
「コースター様、わかりました。お受けいたします。詳しいお話はまた後日で.どうぞ、メアリ嬢とお幸せになってくださいませ。では、そろそろ失礼させていただきます。皆さま、ごきげんよう。
そう言って、わたしは会場を後にしたのだった。
メアリ嬢とは、コースターの恋人です。




