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19話 最終話( •̀ ω •́ )✧


「まったく……君たちは本当にやってくれるよね」


 執務室に残った第一皇子が、ため息混じりにそう言いました。

 さきほどまで慌ただしく動いていた文官たちが退室し、室内には

 皇子と宰相閣下、そして私の三人だけが残っています。


「なんのことだ?」

 宰相閣下は、書類から目も離さずに答えました。塩対応です。


「惚けないでくれよ。

 “配偶者の能力を共有するギフト”なんて、よくまあ堂々と言えたね?

 あれ、ハルシュタイン家の長女の魔道具で見せてたんだろう?」


 皇子が紅茶をすすりながら、呆れ半分・感心半分の目でこちらを見ました。


 たしかに、あのパーティー会場で皆が“魔力を視た”のは嘘です。

 宰相閣下にギフトなどなく、姉の魔道具で見せただけ――。


 世にいうペテン行為です。


「奴らの強みは、“検知不可能な魔力”を操れることだった。

 ならば、視える者が増えたほうが警戒できる。

 嘘を広める価値はあっただろう?」


 そう言って、宰相閣下がさりげなく私の隣へ腰掛けました。


「まあ、僕としてもありがたいさ。

 ……ああそうだ。例のスパイ、貴族たちにボコられて気絶してたらしいね」


「そうなのですか?」と私。


「うん。でね――その場に“一撃で気絶させた正体不明の何者か”がいたらしい。

 貴族の中に凄腕を潜ませてたんだろう?」


「何の話だ?」

 宰相閣下が涼しい声で答えます。

 これは白々しいというべきでしょうか。


「とぼけないでよ。病院に運ばれたスパイから、

 真っ先に“奥歯の毒”を採取したのは君だろう?」


 皇子がニヤッと笑います。

 なるほど、だからあの場で、貴族たちを暴動させる必要があったのですね。

 と、私は心の中で思いながらクッキーをぱくつきました。

 難しい話は黙っているに限ります。


「おかげで毒の成分からスパイの所属国が判明したよ。

 これから本格調査に入るところだ。

 ……にしても本当に君は強引だね。

 敵の策にハマったふりをして、反撃に利用し、非公式に拘束、

 最後はボコらせて病院送りにして“証拠だけ”しっかり回収するなんてさ」


「私は知らんな」

 宰相閣下は静かに紅茶を口に運びました。

「敵が勝手に策に溺れただけだ。私は患者にすぎない」


「……絶対わざとですよね」と私の斜め横にいるベルン様が小声でつぶやく。


「はいはい。……で、問題はこっちだよ」


 皇子がカップを置き、私たちを交互に見た。


「君たち……結婚するんだよね?」


「え?」「は?」

 同時に声が被る。


「だって国防的には、

 “魔力を見る能力を共有している夫婦”って設定のほうが便利なんだよ。

 僕としてはぜひ結婚してもらいたいね」


 皇子の言葉に、私は素直にうなずいた。


「はい。じゃあ結婚します」


「……え?」「……は?」


「い、いいのか?そんなにあっさりと」


 宰相閣下が珍しく動揺しています。


「最初に告白したのは私です。

 女に二言はありません」


「そのわりに、一度軽やかに撤回しようとしてましたよね?」


 ベルン様が突っ込んできました。


「そんなことありましたか?」


 部屋の三人から視線が集まります。


 けれど過去は過去でしかなく、今は今のはずです。

 私は何か変なことを言ったでしょうか?


 その様子が可笑しかったのか、

 宰相閣下は肩を揺らして笑い出しました。


「これはこれは、なかなか奥方予定も一筋縄ではいきそうにないね」


 第一皇子が額に手を当てます。


 宰相閣下は立ち上がり、私の手をとって言いいました。


「では、これからもよろしく頼むぞ。マイレディ?」


「はい。告白した以上、幸せにしてみせます。

 本で読みました」


 返すと、閣下は堪え切れず吹き出しそうになる。


「頼もしいな」


 そう言って、額にそっとキスを落としてくれました。


 いっぱいいろんんあことがありました。

 正直なところ私は結婚というものをあまり理解していないかもしれません。

 それでもこれだけは確信できます。

 私の能力を認めて、私を助けてくれて、信頼してくれた閣下と、二人で歩めると。


「私こそお願いします。宰相閣下」


 そういって頬にお礼のキスをします。

 きっとこれから先、どんな未来も一緒に歩いていけるはずです。


 そう、閣下と二人なら。


「私こそ……よろしくお願いします、宰相閣下」


 二人の未来が、どうか幸せでありますように。


ここまで読んでくださって、本当にありがとうございました!

皆さまの応援のおかげで、無事に完結まで走り切れました!!


感想&ポイント&リアクション&ブックマークも本当にありがとうございます!

励みになります!もし面白かったと思ったら評価&ブックマークをしていただけると泣いて喜びます!

何卒よろしくお願いいたします!


※12月後半から体調を壊しており、(この作品自体は12月に完結してました;;)たぶん寒暖差で体調崩しただけだ思います。感想のお返事返し等できてなくて本当に申し訳ありません><暖かくなったらまた復帰する予定なのでその時はばりばり更新していけたらいいなと思っていますので何卒よろしくお願いいたします!3月~4月に復帰したいです!!

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