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土の聖子は狙われる

 ルカのもとには、かなり頻繁に襲撃者がやって来る。

 それは、ルカが土の大精霊グランディスの器というのも大きいが、他の大精霊の器は狙いにくいという理由も大きい。

 水の大精霊ネレイスの器は、すでに悪魔によって殺されているので、どうすることもできない。

 風の大精霊ゼフィールの器は行方が分かっておらず、狙う以前に探すのが大変だろう。

 火の大精霊カルディアの器は騎士であり、国王に保護されているため、狙うのはかなり難しい。

 それに対して、ルカのいる場所は、王都から遠く離れた、小さな村だ。

 ルカを捕らえることは、容易だと思われている。

 だが、実際はそんなことはない。

 村の人口は決して多くはないが、皆が一致団結し、信仰心を力にして、ルカを死守しているので、狙うのは思っているよりも骨が折れるのだ。

 村の人々は戦闘力はさほど高くなかったのだが、勢いに任せて襲撃者を押し返していたら、いつの間にか戦闘力も少しずつ上がっていた。

 ルカはいつもそれを、苦笑いで見ている。

 今日は、ルカは村の人々と交流していた。

 小さな子供から、立ち上がるのがやっとな老人までやって来て、ルカを囲んでいた。

 その時、村全体に警鐘が鳴り響いた。

 襲撃者が現れたという合図だ。

 瞬時に全員が武器を取り、戦闘態勢に入った。

 そして、数名がバルコニーに出て、襲撃者の位置や人数を確認する。

「南側に襲撃者が十人ほどいます!」

「魔法使いも数名発見しました」

 その言葉に、全員の顔が一気に暗くなる。

 この世界では、魔法を使う人は珍しくない。

 簡単な魔法なら、学校でも習うので、よほど保有している魔力が少ない人でもない限り、ほとんどの人が魔法を扱うことができる。

 ただし、そうした人たちが使うのは、あくまで日常生活を補助したりするための魔法だ。

 だが、魔法使いは違う。

 魔法で戦闘をする魔法使いは、魔法戦の授業がある学校に通い、専門的に魔法について学んでいる。

 なので、一般人の魔法と魔法使いの魔法はかなり差がある。

 一般人が魔法使いを倒すのは、かなり難しいので、襲撃者に魔法使いが入っているかいないかで、警戒度は大きく変わる。

 なので、村の人々もかなり警戒しているのだ。

 村の人々は数名をルカの護衛のために残して、大多数が襲撃者を倒しに行った。

 そして、二手に分かれて、魔法使いを倒す者と、それ以外の前衛を倒す者に分かれる。

 前衛を倒す者たちは、特に問題なく、順調に前衛を倒していっている。

 魔法使いの方も苦戦するかと思いきや、あまり強い魔法使いではなかったようで、一気に距離を詰め、魔法を発動される前に倒すことで、どうにかなっている。

 そして、あっという間に襲撃者は全員倒された。

 村の人々は何もなかったかのように笑顔を浮かべて、ルカのもとに戻ってきた。

「みんな、ありがとうございます……」

 ルカが少し戸惑いながら、か細くお礼を言った。

 すると、皆の笑顔が先ほどとは比べものにならないほど、さらに明るくなり、声を上げてはしゃぎ始めた。

 ルカにお礼を言われて、嬉しいのだ。

 中には、今にも咽び泣きそうな人もいる。

 これが、この村の日常だ。

 今にも潰れそうだった村が、ルカの影響でここまで成長した。

 皮肉なことだが、ルカ自身は村の成長は喜ばしいことだ。

 だが、襲撃者は来ないでほしいと思っている。

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