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火の騎士と部隊長

 これは、マルクが本当に大精霊の器であるか確認するために、コリンと一緒に王城で過ごしていた時の話である。

 マルクとコリンは、エリーナに呼ばれて、騎士団長室に来ていた。

 ちなみに、何をするかは聞かされていない。

 マルクは緊張しているのか、少し震えている手で、扉をノックした。

「「失礼します」」

 マルクとコリンは恐る恐る部屋に足を踏み入れる。

「来たか。その椅子に座ってくれ」

 マルクとコリンは、書斎の向こうに座っているエリーナに言われた、ソファーに座る。

 そして、反対側には四人の騎士が座っている。

 騎士たちの制服は少し豪華で、制服を見ただけで彼らが部隊長だということが分かる。

 そのため、マルクとコリンは非常に緊張している。

 そんなマルクとコリンを落ち着かせるように、エリーナが穏やかに微笑みながら、二人に話しかける。

「そんなに緊張しないでくれ。今日は一応部隊長にも、お前らの顔を見せておこうと思って呼んだだけだ」

 どうやら、今日は怒られたりはしないみたいだ。

 それが分かっているにも関わらず、マルクとコリンはまだ緊張している。

 そして、ソファーの一番端に座っている、体格が良い快活な騎士が口を開く。

「マルク・フェルド、久しぶりだな」

「お、お久しぶりです」

 マルクはすでに一度会ったことはあるのだが、コリンはこの騎士に直接的には会ったことがない。

「改めて、第一部隊の隊長ガストン・ハルバードだ。マルクもコリンもよろしく」

 そして、ガストンの隣に座っている表情がとても暗い細身の男がだるそうに口を開く。

「俺は第二部隊の隊長、アルリック・シュバルツ」

 あまりにも簡潔な自己紹介に、エリーナが苦笑している。

「すまんな。アルリックは優秀だが、あまり社交的ではないのだ」

 エリーナの説明を聞いて、マルクとコリンも苦笑している。

 本当にアルリックは常に絶望的な表情なのだ。

 次に、アルリックの隣に座っている、すらりとした長身の女性が、少し厳しめの口調で話し始める。

「私は第三部隊の隊長、ヒルデガルド・ルーンです。よろしくお願いしますね、マルク・フェルドさん、コリン・スタイナーさん」

 ヒルデガルドの口調や表情から、ヒルデガルドはコリンと少し似ているかもしれないと、マルクは思った。

 そして、残った一人、ヒルデガルドの隣に座っている、少し背の低い女性が、笑顔で明るく話しかける。

「私は第四部隊の隊長、カタリナ・ハートマンだよ。よろしくね!」

「これで全員、紹介したな」

 エリーナが全員の顔を見渡しながら言う。

「マルク・フェルドの部隊はまだ未定だが、部隊長は全員マルクを気にかけておいてくれ」

 その言葉に、部隊長が全員頷く。

 マルクとコリンは、終始緊張しまくっていた。

 そうして、マルクとコリンは部屋を後にした。

 退室してすぐ、マルクとコリンは息を吐きながら、肩の力を抜いた。

「なんか、圧巻だったな」

「……そうだね。でも、かっこよかったな」

 しばらく、マルクとコリンの間に沈黙が漂う。

 そして、マルクが口を開いた。

「これから、頑張ろうな」

 コリンは微笑みながら、大きく頷いた。

 ここから約十二年後、マルクは騎士団長に、コリンは第一部隊の隊長になる。

 マルクとコリンの成長はまだ、始まったばかりだ。

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