表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
59/66

火の騎士は食堂に

 マルクが所属する騎士団には、食堂がある。

 王城の騎士団だけあって、とても広く、料理も素晴らしい。

 栄養が徹底的に管理されているにも関わらず、量がかなり多い。

 騎士たちはとても運動量が多いので、騎士たちにとっては食堂の料理は欠かせないものだ。

 食堂は男子寮と女子寮の間にあり、寮からでも訓練場からでも行きやすい場所にある。

 午後の訓練を終えたマルクとコリンは、訓練場から食堂に向かっていた。

「あー腹減ったー。今日の晩ごはん何か知ってるか?」

 一日中訓練しても、まだまだ元気なマルクが笑顔を浮かべながら、無邪気に問う。

「知らないよ。着いたら分かるでしょ」

 訓練でよっぽど疲れているのか、コリンが力の抜けた声で呟く。

 しばらく歩いて、マルクとコリンは食堂に到着した。

「晩ごはん何かなー」

 マルクが軽やかなステップを踏むように、食堂に足を踏み入れる。

 すると、スパイスの香りが鼻の奥をツンとくすぐった。

 マルクの顔が一気に明るくなる。

「やったー!カレーだ!」

 マルクが飛び跳ねて喜ぶので、コリンは保護者のような気持ちでそれを見つめている。

 とりあえず、コリンははしゃいでいるマルクを引っ張ってカウンターで食堂の調理員に声をかける。

「カレー二つお願いします。一つは普通の一人前で、一つは大盛りでお願いします」

 コリンがマルクの代わりに、カレーをお願いする。

「大盛り!」

 マルクは相変わらず、はしゃいでいる。

 しばらくすると、調理員が快活な笑みを浮かべながら、盛り付けたカレーをマルクとコリンに差し出す。

「あいよ!いっぱい食べて頑張るんだよ!」

「ありがとうございます」

「ありがとうございます!!!」

 コリンは律儀にお辞儀をしながら、マルクは調理員とハイタッチをしながらお礼を言い、カレーを受け取る。

 そして、二人は空いている席を探す。

 食堂にはすでに、多くの騎士が来ていて、席はかなり埋まっている。

 騎士たちの笑い声と食器の音が、広い食堂に響いている。

 コリンが辺りを見渡していたら、一人の手を振っている騎士を見つけた。

「おーい!」

「お!アイラ!」

 マルクとコリンに手を振っていたのは、アイラだ。

 ちょうど、アイラがいる机が二席空いていたので、マルクとコリンはそちらに向かう。

「いやー、やっぱこの騎士団人多いね。こんなに広い食堂がパンパンだ」

「そうだね」

 訓練は部隊ごとに行うので、騎士が全員揃う機会はあまり多くはない。

 だが、食堂は全員共通で、ほとんどの人が集まるので、かなり多く感じる。

 マルクとコリンは机にカレーを置き、席に座る。

「「いただきます」」

 マルクとコリンはしっかりと手を合わせてから、スプーンを手に取る。

「このカレー、本当に美味しいよ」

 すでに、カレーを半分ほど食べたアイラがニヤニヤしている。

 そして、マルクとコリンがカレーを頬張る。

「うまっ!!」

「美味しいね」

 二人とも、カレーのあまりの美味しさに、笑顔で驚いている。

「毎日、カレー出ないかなー」

 マルクがカレーを頬張りながら、呑気なことを言っている。

「毎日は飽きるでしょ」

 コリンがいつも通り、冷静に言葉を返す。

「でも本当に美味しいよね」

 アイラの言葉に、マルクもコリンも笑顔で頷く。

 任務は過酷な騎士団だが、この食堂では、そんな雰囲気は全くない。

 マルクはこの穏やかな時間も大切にしたいなと、心の中で思った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ