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大精霊の器が辿った道  作者: 安達りあ
火の騎士編
37/66

最終話 次の一歩は

 エリーナが部屋に残っている面々を見て、微笑んだ。

「これでジュリアン・ローズについての件は片付いたな」

 エリーナは満足そうな顔で、紅茶を飲んでいる。

「お前らには、他に話したい件がある」

 全然想像がつかないので、コリンとアイラは首を傾げている。

 マルクは元からずっと首を傾げている。

「この騎士団には実は副団長がいないんだ。なので、私は日々仕事に追われているわけだ。そこでだ。お前ら三人に、私の補佐官としてついてほしい」

 マルクとコリンとアイラはしばらく沈黙する。

「「「えっっっ!」」」

 そして、ようやく意味を理解したのか、跳び上がって驚いている。

「ど、どど、どういう、あの、その」

「補佐官、ですか……」

「えっ、私たち、が……?」

 三人は非常に戸惑っている。

 それを、エリーナは苦笑しながら見つめている。

「急に言って悪かったな。詳しい説明をさせてもらうぞ」

 三人は一旦静かになって、大人しくソファーに座る。

 エリーナがため息を軽く吐いてから、少し悲しげな口調で話し出す。

「今回の件で、よく分かった。私は騎士団の細部まで、しっかりと目が届いていなかった。それは、とても危険なことだ。なので、お前らには騎士団の見回りや情報伝達、一部の書類仕事などを頼みたい」

 コリンが控えめに挙手する。

「何故僕たちなのでしょう?部隊長など、他に適した人がいるのでは?」

 エリーナが慎重な表情で、軽く頷く。

「部隊長に任せることも考えたが、四人もそこそこ忙しいんだ。それに、今回の件でお前らは、信用に足る勇敢な騎士だと判断できた。だからこそ、お前ら三人に頼みたい。もちろん、無理だと言うなら断ってもらっても構わない」

 マルクとコリンとアイラは、お互いに顔を見合わせて、困ったような表情をしている。

 だが、途端に真剣な顔になって、頷き合う。

 そして、それぞれエリーナと目を合わせる。

「身に余る光栄、感謝致します。拝命しました」

 コリンが綺麗に礼をしながら、冷静に言う。

「精一杯頑張ります。よろしくお願いします」

 アイラも深く礼をしながら、明るい口調で言う。

「俺も頑張ってビシバシ働いていきます!」

 マルクは腕にコブを作りながら、快活に笑っている。

 その様子を見て、コリンが呆れたようにため息をついている。

 だが、エリーナは特に気にした様子もなく、笑顔になる。

「ああ。よろしく頼む」


 あれから、十二年ほど経っただろうか。

 コリンは新しく入ってきた騎士たちの資料をまとめたので、それを騎士団長室に提出しに来た。

 コリンは他の騎士たちより、少し豪華な制服を身にまとっている。

 扉をノックし、中に入るとそこにはマルクとアイラがいた。

 マルクは騎士団の中で、一番豪華な制服を着ていて、アイラはコリンと同じような制服を着ている。

「マルク団長、資料持ってきたよ」

 マルクは資料を受け取り、ざっくりと目を通す。

「おう。助かったぜ!アイラもあとで確認しておいてくれ」

「了解!」

 書類を整理していたアイラが手を止めて、マルクの元へ近づく。

 そして、資料を受け取り、軽く目を通す。

 コリンが意地の悪い笑みを浮かべながら、二人を見つめる。

「新婚夫婦はラブラブだね」

「うっせ」

 マルクがコリンに突っかかって、アイラは苦笑している。

「じゃあ、ばいばい」

 コリンはマルクに怒られる前に逃げようと思い、そそくさと部屋から出て行った。

 マルクは微笑みながら、ため息をついている。

 アイラはコーヒーを淹れて、マルクの机の上に置く。

「どうぞ、マルク」

「ありがとう、アイラ」

 マルクは立ち上がり、アイラにそっと口付けた。

 マルクもアイラも顔を見合わせて、顔を赤らめている。

いつも大精霊の器が辿った道を読んでいただきありがとうございます!本日で火の騎士編が終わりとなりました。サクッと終わらせるつもりだったのですが、思ってたより長くなっていました。次は土の聖子編が始まります。土の聖子編は私の予定の関係で、2月12日から始めさせていただきます。これからもよろしくお願いします!

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