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大精霊の器が辿った道  作者: 安達りあ
火の騎士編
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第五話 いざ、騎士団へ

 あれから、二週間ほど経ち、二人は大荷物を抱えて、王城に来ていた。

 今日は、入寮の日なのだ。

 部屋は、王城の玄関に貼り出されるらしい。

「あっ!あれじゃない?」

 コリンが部屋割表を見つけたようだ。

 二人は小走りで、部屋割表の前へ向かった。

「あっ!名前見つけた」

 マルクとコリンは顔を見合わせた。

 最初は驚愕の表情をしていたが、すぐに笑顔に変わって、その場で飛び跳ねる。

「「一緒の部屋だ!」」

 寮は二人部屋なので、これからは同じ部屋で過ごすことになる。

「えーっと、二階の部屋だな」

 マルクが受付係から鍵を二つ受け取り、一つをコリンに手渡す。

「ほんじゃ、行くか」

「うん」

 二人は寮に向かって、歩き始める。

 寮は王城のすぐそばに建てられており、男性寮と女性寮に分かれている。

 今回の試験で合格した人数は十四人。男性が十一人で、女性が三人なので、女性は圧倒的に少ない。

 寮も男性寮が五階建てなのに対し、女性寮は三階建てになっている。

「そういえば、入団試験で俺を負かした奴はいるのかな」

 マルクがふと、気になったように言う。

「君を倒したってことは、そんなに弱くないと思うから、いると思うけど」

 コリンが顎に手を当てて、じっくり考えながら言う。

 その時、急に後ろから誰かが、マルクの肩に触れた。

「ぎゃっっ!!」

 あまりにも急だったので、マルクは悲鳴を上げて、跳び上がっている。

「おお、随分と派手に跳ねてるねぇ。」

 マルクの後ろから、明るく凛とした声が聞こえた。

 振り返ると、そこには見覚えのある顔をしている女性がいた。

「あ!お前、試験の時の!」

 マルクがそう言うと、その女性は明らかに不機嫌な顔になった。

「名前くらい、覚えてくれても良いんじゃないかな?私はアイラ・ヴァンス。よろしくね、マルク」

「ああ。覚えた」

 それは本当だろうか、と思ったコリンも綺麗にお辞儀をした。

「僕はこいつの友人のコリン・スタイナーです。よろしくお願いします、アイラさん」

 アイラの表情が、元の笑顔に戻った。

「よろしくね!じゃあ、また明日!」

「おう」

「また明日」

 アイラは挨拶だけ済ませて、さっさと走り去っていく。

「嵐みたいだったな」

「そ、そうだね」

 お人好しのコリンでさえ、少し苦い顔をしている。

「とりあえず行こうか」

「おう」

 二人は再び、寮に向かって歩き始める。

 しばらく歩いたところで、寮に着いた。

 玄関を開けた先には、少し広めのホールがあり、椅子などがたくさん並べられてある。恐らく、普段騎士たちが交流をしたりするのだろう。

 マルクとコリンは階段を登り、自分たちの部屋を見つけた。

 扉を開けると、ほこりっぽい匂いが二人を襲った。

「これは、掃除しないといけないね」

 コリンが苦笑しながら、独り言のように呟いている。

「まあ、とりあえず中に入ろうぜ。荷物が重すぎる」

 マルクとコリンはとりあえず部屋に入り、適当なところに荷物を置く。

 部屋には、引き出し付きの机と椅子が二つずつ、小さなキャビネットが二つ、大きな棚が二つ、それに二段ベッドがあった。

 二段ベッドを見た瞬間、マルクの表情が変わった。

 口角はこれでもかと言うほどはね上がり、目は異様にキラキラしている。

 マルクの様子が先ほどまでとは全然違うことに気づいたコリンが、恐る恐るマルクに話しかける。

「……あ、あの……どう、したの……?」

 マルクは二段ベッドを見つめたまま、唇を震わせている。

「俺、二段ベッドが憧れだったんだよ!コリン!俺、上で寝て良いか!?」

「……良いけど」

「ありがとう!コリン!」

 コリンも二段ベッドを見たのは初めてだが、大してワクワクしないし、特に拘りもないので、二段ベッドの上段をマルクに譲った。

 そんなこんなで、二人の寮生活は幕を上げた。

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