第一話 青い空に
この世には四体の大精霊が存在するとされている。水の大精霊、風の大精霊、火の大精霊、土の大精霊。彼らは神に近しい存在で、それぞれ人間を一人選び、自身の器とする。
器と言っても人間の身体を乗っ取ったりするわけではなく、有事の際に、世界へ顕現するための媒体にするだけだ。また、大精霊は器に自身の魔力を与える。
その魔力が器にどのような影響を及ぼすかは、器自身によるものかもしれない。
これは火の大精霊の器、マルク・フェルドが王城の騎士団として国を守り続ける話。彼はただの平民であった。
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マルク・フェルドは青い空の下、親友であるコリン・スタイナーと向かい合っている。
開始の合図を知らせるベルの音が鳴る。
その瞬間、マルクとコリンは魔法の詠唱を始める。
先に詠唱を終えたのは、マルクだ。
マルクは火の玉を、コリンに向けて放った。
だが、コリンはそれを巧みに避け、マルクに反撃する。
コリンの攻撃を見て、マルクは防御魔法の詠唱をし、自分の前に盾を出現させて、攻撃を防ぐ。
マルクは防御魔法が切れる前に、次の詠唱を始め、再び火の玉をコリンに向けて放った。
マルクの放った火の玉が、周囲の空気を震わせながら飛んでいく。
その攻撃は、見事コリンに命中し、マルクはコリンに勝利した。
その瞬間、周りにいた子どもたちが次々と、感嘆の声を漏らす。
コリンはマルクに近づき、マルクの手を差し出した。
「また負けちゃったな」
マルクはコリンに微笑みを向けながら、コリンの手を握った。
「次も勝つぜ」
コリンはムスッとした顔で、言い返す。
「次は負けねぇよ」
その時、そばにいた、背の高い女性が手をパンパンと鳴らす。
「はい!今日の授業はここまで。みなさん、終礼をするので教室に戻ってください」
その言葉で、子どもたちは、建物の方へ向かっていく。
マルクとコリンは、街にある少し大きめの、イグニス学校に通っている。
この学校は、他の学校では珍しい、魔法戦の授業がある。
どの学校でも、魔法の授業はあるが、魔法戦の授業がある学校はとても少ない。
そのため、イグニス学校はとても人気で、少し遠い街から通っている人も少なくない。
そんな学校でマルクとコリンは、二人とも、優秀な成績を収めていた。
そんな二人は、とても仲良しで、いつも一緒に行動していた。
二人に憧れの眼を向ける人も多く、二人は学校で一番の人気者だった。
ある日、先生がマルクとコリンを呼び出した。
「先生。何のご用ですか?」
コリンが冷静に、問いかける。
先生は笑顔で、二人に一枚の紙を手渡した。
「それを読んでみなさい」
マルクとコリンは、その紙に書かれている文字に目を通す。
すると、二人の表情が少しずつ、驚愕と喜びに変わっていく。
先に声を上げたのは、マルクだ。
「先生。騎士団に推薦ってどういうことですか?」
コリンが少し不安げに、先生を見つめている。
「そのままの通りよ。あなたたち二人は、成績が優秀なので、王城の騎士団に推薦します」
マルクもコリンも二人揃って、驚きで声を失っている。
先生はそんな二人を見て、苦笑する。
「何も、今すぐ決めろという訳ではありません。しばらく悩んでもらって結構です。ですが、これはとても名誉あることです。受けてみても良いのではないですか?」
マルクとコリンはやっと我を思い出して、お互い向かい合って、その場で飛び跳ねた。
「騎士団だって!かっこ良いね!」
「俺らでもなれるのかな!?」
そう言って、二人はしばらくの間、ずっとはしゃいでいた。
これが、すべての始まりだった。
そして、その後、マルクはとんでもない事実に、出会うことになる。
大精霊の器が辿った道を読んでいただき、ありがとうございます!本日から火の騎士編が始まります。今度こそサクサク進めてサッと終わらせる予定です。これからもよろしくお願いします!




