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99 ダーバン



 南アのある村の少年は新しい弟が産まれたので家を追い出された。

 一人でも食っていけそうだけど、村のみんなに迷惑をかけるのもアレなんで、ヨハネスブルクを目指すことにした。

 この南アの人々は食うのに困ったらヨハネスブルクを目指す。なんでも、金色に光る石が大量に見つかったので、大量に西洋人がきて、大量に食料があると言うのだ。

 少年にはそんな都合のいい話があるとは思えなかったが、みんなが行ってるので、とりあえず言ってみることにした。


「おいらヨハネスブルクに行くよ。」


「そんなら、となりの子も連れてっておくれ。もうすぐ新しい子が産まれるんだよ。」

「こっちのチビも頼む。畑がイナゴにやられちまってな。たはは。」


 足手まといは邪魔だけど仕方ないから3人でヨハネスブルクを目指すことになった。



「おいらが一番年上だからリーダーだ。」

「わかった。」

「うん。」


「お前は本を読むのが好きだから博士だ。」

「僕が博士ですか?専攻は何ですか?」

「専攻ってなんだよ」

「学術の徒の専門分野のことですよ。」

「なんだかわかんないけど全部だよ。」

「博物学ってことですか?」

「たぶんそれだよ。博物学博士だ。」


「なんだかしっくり来ませんね。」

「まぁそのうち慣れてくるだろ。」


「チビは何が得意なんだ?」

「んーーー。寝る事?」

「チビ君の寝相はすごいんですよ。」


 

 少年たちは暢気に歩いてヨハネスブルクを目指した。


「こまったな。食べ物落ちてないぞ。」

「食べ物は道には落ちてないですよ。」

「Zzzz」


 アフリカ中の人達がヨハネスブルクを目指しているので、道中には食べ物が落ちていなかった。


「あっちの道なら食べ物が落ちてるかもしれない。」

「食べ物は道におちてないですよ。」

「Zzzzz]


「けれど、ヨハネスブルクから遠くなってしまうな。」

「たぶん、ヨハネスブルクにも食べ物は落ちてないですよ。」

「え?それなら何処に食べ物が落ちているんだ?」

「食べ物は何処にも落ちてないですよ。」

「Zzzz」


 少年はとても深く考えたが、よくわからなかった。


「少なくとも、おいらの家には落ちてたよ。」

「Zzzz。はっ!。僕もー。」

「普通は家の中に食べ物は落ちてませんよ。」


「普通とは?」

「んーーー。寝る事?」

「寝る事と、食べるものが落ちてる事、以外ですね。」


「となると、性欲か。。おいらは少年だからよくわからないや。」

「僕の家には本が落ちていましたね。」


「本は食べられないぞ?」

「枕にできるー。」



 お腹を空かせながら歩いていると家があった。


「あの家には食べ物が落ちているかもしれないぞ。」

「読んだことのない本が落ちてるといいのですが。」

「今日はあそこで寝る?。」



 家の中に入ると 生意気そうな少年がいた。


「おい!他人の家に勝手に入ってくるな!」


 3人の少年は何を言われたのかわからなかった。


「なぜ家に入ってはダメなんだ?」

「僕たちは少年だけど男ですから女性の肌を見るのはよくないのでは?」

「でも、彼は少年だぞ?」

「Zzzz。。」

「彼は少年よりの少女なのでしょう。」

「なるほど道理だな。」


 すると一人の少年はとても怒った。


「俺のような少女がいるものか!!」


 リーダーの少年は、相手が少女だとおもうと気恥ずかしくなってきた。


「あ、あの、、おいら、、僕は外にでているよ。」

「僕たちも外で着替え終わるのを待ちます。さ、チビ君も起きて。」

「Zzzz。」


 寝ている少年を連れ出そうとすると、一人の少年はさらに怒った。


「俺は男だ!!」


「みんな始めはそう言うんだ。」

「性の目覚めは気恥ずかしいものです。」

「Zzzzz」


「ちゃんとついてる!見ろ!!」


 一人の少年がいきなり腰ミノを脱いだ。


「きゃ!」

「破廉恥ですわ。」


 リーダーと博士は恥じらいながらも、顔を覆う手の隙間から覗き見た。


 そこには一物ついていた。


「なんだ、男じゃないか。」

「紛らわしい事をしないで頂きたいですね。」


 そして、少し不安になったので、自分の一物がちゃんとついているか確認した。


 寝ているチビにもちゃんとついている事を確認して安心した。


「それで、お前はいったい何者だ?」


「聞いて驚くな!俺は、、」

「まて!」


 名乗ろうとした一人の少年に、リーダーの少年は静止をかけた。


「お前が何者かはおいらが決める。」

「なんだと!お前に俺の何がわかるって言うんだ!」

「わかるさ。リーダーだからな。」

「ふん!言ってみろ。」


「お前は、おいら達の新しい仲間さ。」


 その言葉を聞いて、少年は涙を流した。

 今まで、自分自信が淋しがっていることに気付いていなかった。


 一人の少年は一人の少年でなくなった。





「偉大なる王がインピ候補生の孤児を集めてるらしいんだ。」


 一人じゃなくなった少年は、村を出なければいけなくなったので、食っていくために偉大なる王の元で戦士になる予定だと言う。


「それはおいら達でも受け入れてもらえるのかい?」

「わかんないけど、行けばわかるさ。」


 ヨハネスブルクまでの道中は、道にも家の中にも食べ物が落ちてなさそうなので、4人で偉大なる王の宮殿を目指すことにした。




 道を変えると食べ物が落ちているようになってきた。


「ちょっと移動しただけなのに、こっちの土地は豊かだな。」

「こんなに食べ物が落ちているのなら、みんなこっちの道を進めばいいのに。。」


 この道は少し遠回りにはなるけど、ヨハネスブルクにも辿り着ける。


「みんながこちらを通らないから食べ物が落ちているのかもしれません。」

「ん?どういう事だ?」

「食べ物が落ちているから道ができるのです。」

「野菜や果実は道を作らないぞ?」


「食べ物を求めて動物や人が移動することで道ができるのです。」

「つまり、おいら達の歩みが道を作るという事か?」

「私たちにとっては小さな一歩でも、人類にとっては大きな一歩なのです。」



 すると腕いっぱいに食べ物をもった新しい少年がでてきた。

「その話は興味深いね。」


「こら!食べ物をたくさんとってはいけない!」

「なぜだい?こんなにたくさん実ってるじゃないないか。」

「食べる分だけ拾うのが、ここでの作法だ。」

「そんな作法を守っているからポルトガ国に支配されるのさ。」


 作法を守らない新しい少年は、4人の少年たちより立派な腰ミノをつけていた。心なしか肌もツヤツヤに見える。


「ポルトガ国ってなんだ?」

「君はポルトガ国も知らないのかい?とんだ田舎者だね。」


 4人は田舎者と言われて腹が立っていたので、知ってるふりをすることにした。


「もちろん、知ってるぞ。」

「おいらも知ってる。」

「博士にわからない事はないのです。」

「知ってる。zzz」


「言ってみなよ。」


「えっと、、、アレだ。」

「そうだ!アレだ。」「アレだね。」「zzz」


「知らないんだろ?」


「知ってるさ!えっと、、、ポルタガ国は、、でかい!!」

「そうだ!でかいんだ!」「デカくて支配するのです。」「zzz」


「そして、作法を守らないのさ。」

「食べ物は大地の贈り物だから、みんなで分けないといけないって事を知らないのさ。」


「ふーん。全く知らない訳でもなさそうだね。」


「当たり前だ!全部知ってるぞ。こっちには博物博士もいるんだ。」


「じゃーアレが何だか言ってみなよ」


 新しい少年が指さした場所には、大きな黍畑が広がっていた。


「すごい!なんて大きな畑なんだ。」

「あんな大きな畑は見た事ないぜ。」

「寝てる場合でない。」


「さっそくみんなで食べよう。」


 4人の少年は黍を拾って食べた。


「今日は腹いっぱい食べれるね。」

「可食部が少ない気がする。」

「こんなにいっぱいあるから問題ないよ。」

「なかなか甘い黍だ。」



 すると、棒を持った。大人がやってきた。


「こら!砂糖を勝手に食うな!!」


「なんでさ?」

「おいらが拾ったんだぞ。」


「ここは西洋人の農場主様の砂糖畑だ。勝手に拾って食べてはいけない。」


「落ちてるものはみんなのものだろ?」


「西洋人の農場主様はその様に考えないようだ。」

「?」「?」「?」「zzz」


「ここは僕に任せてよ。」


 果実を腕いっぱいに持った新しい少年が前にでる。


「僕の持ってる果実と、この畑にある黍を交換しましょう。」


「ダメだ!ここは西洋人の農場主様の砂糖畑だ。」

「ですので、西洋人の作法にのっとって果実と砂糖を取引するのです。」


「む!?それは、西洋人の作法なのか?」

「はい。西洋人の作法です。」


 大人はとても悩んだ。西洋人の作法を守らないと農場主様に鞭で打たれるからだ。


 悩んでもよくわからないので、一緒に黍を食べることにした。



「なるほど、それで偉大なる王の宮殿を目指しているのか。」

「インピはカッコいいからね。」

「盾もデカいしな。」


「偉大なる王は近くの港に来ていると聞いたぞ。」

「港ってなにさ?」

「海さ」

「海ってなにさ?」

「デカい水たまりだよ。」


「そんなとこに何のようさ?」

「さぁ。水浴びでもするんじゃないか。」


 とりあえず5人の少年は偉大なる王のいる港を目指すことにした。





 ズール国港町「ダーバン」

 インド洋に面するズール国の港町。ポルトガ国の植民地だったが、ズール国に占領された。



「暴力では何も解決しないのじゃ。新たな暴力を生むだけなのじゃ。」

「どれだけ社会が発展しようと、最後に信用できるのは武力だけだ。」


「その最後を迎えない為に教育が必要なのじゃ。」

「教育とやらで腹が膨れるものか。アフリカは今、飢えているのだ。」



 少年たちが街に来ると大人が口論をしていた。


「なんか。場違いなところに来ちゃったみたいだね。」

「変なトラブルに巻き込まれる気がするよ。」

「zzz」

「静かに密かに速やかに離れよう。」


 少年たちが静かに密かに速やかに移動を始める前にビシっと指を差された。


「あれが妾が示すアフリカの光なのじゃ。」


「なるほど、アフリカの未来を貴様に託すのも悪くないか。」



 何が何だかわからないまま、船に乗せられることになった。



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