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サントメ島


 ポルトガ国西アフリカ植民地サントメ島サントメ

 ギニア湾に浮かぶ火山島。奴隷貿易と砂糖プランテーション。


「困った困った。」


「困ってる人がいるのじゃ。」

「困っているな。」


「あー困ったな。誰か助けてくれないかな。すごく困ったな。」


「すごく困っているのじゃ。」

「すごく助けたくないな。」


「もう本当に困ってしまって困ってしまうな。」


「ほっておくとずっと困っておるのじゃ。」

「困り続ける強い意志を感じる。」



「私に任せてください!!」


「のじゃ!誰か来たのじゃ。」

「トンビに鷹をかっさらわれたか?」


「僕は先読みに自信があるけど今は冴えない貧乏商人です。」


「また、変な奴がでてきたな。」


「有用なのじゃ。」

「む、こんな変な貧乏商人が?」


「妾は素敵な産物やエピソードがあるのに時代背景に合わず紹介できなかった事例をたくさん知ってるのじゃ。」

「何を言ってるんだ。この物語は実在の人物や組織とは一切かかわりがないんだぞ。」

「あまり、強引な歴史改変はバタフライエフェクトで大変な事になるのじゃ。」

「そんな事だれも気にしてはいまい」

「妾が気にするのじゃ!」



「あ、あのー。あなた方の話はよくわからないですが、困っているのです。」


「そういうのはいいから早く言え。」

「言うのじゃ。」


 サントメ島は奴隷売買と砂糖で経済を回していた。

 新大陸に近いダカールなどの奴隷を集めて管理する地が出てきたことで、奴隷の買い付け客が減り、島であることから直接奴隷を確保することも難しく、奴隷商売は上手くいかなくなってきていた。

 砂糖も新大陸で過剰に供給されているため値崩れを起こしており、砂糖だけを栽培するモノカルチャー経済になっていたため、日々の食料の確保も難しくなっていた。


「という事で困っていたのです。」


「トウモロコシを育てるのじゃ。」


「いまさら、商品価値の低い作物なんて困りますよ。本国にいる地主たちも首を縦にふりません。」


「ぼ、僕はなぜか珈琲博士ですが、「珈琲」はこれから需要が伸びますよ。」

「あんな苦いもの育てても困りますよ。」


「困ってばかりでは困るのじゃ。とりあえず、珈琲で困ればいいのじゃ。」

「一番困った困り方だとおもうぞ。」

「困るしかないか。。」


「ちょっと待ってください。」


 黙って話を聞いていた先読みに自信のある今は冴えない貧乏商人が話に割って入った。


「ここに、私が新大陸から持ってきた「カカオ」の種があります。」


「「カカオ」ですか?聞いたことが無いので困りますね。」」


「「カカオ」から作った「ココア」をお持ちしたので飲んでみてください。」


 みんなで飲んでみた。


「むっ!これは、」

「美味しいな。」

「砂糖との相性もいいのじゃ。」


「今はまだ知名度が低いですが、だからこそ、この作物を育ててみませんか?」


「困ってばかりもいられないか、、やってみます!」



 こうして、サントメ島の困り事は解決の道を進み始めたのであった。



「確かに有能だな。」

「妾の船に欲しいのじゃ。」


「船?船主の方でしたか。私は自分の船を持っていないので、世界を旅するのであれば是非ご一緒させてください。」


「大歓迎なのじゃ。」

「語尾と一人称を考えないとな。」


「これで、各地のみーちゃんが大変な目に会うこともなくなるのじゃ。」


「みーちゃんの事よんだのー?」


 そこにはお兄ちゃんと買い物に来たサントレ島の少女がいたのです。


「知らない人にいきなり声をかけてはいけないよ。」

「でも、みーちゃんのなまえを呼んだの。」


「旅のお方。僕の妹に何か用でしょうか?」


「妾は世界中の海を旅して、色んなものを見て、食べて、色んな人に会って笑いあっておるのじゃ。」

「すごいの。みーちゃんも行きたいの。」


「大きくなったら妾の船に乗せてあげるのじゃ。」

「わーい、なのー。」


「仲良くなった印にこの「カカオ」の種をあげるのじゃ。」

「珈琲は苦いからいらないの。」


「「カカオ」は「珈琲」とは違うのじゃ。美味しいお菓子になるのじゃ。」

「お菓子!!お菓子たべたいの!」

「ありがとうございます。僕の農地で育ててみます。」



 このあと、貰った種から始まり兄妹が作りあげた「みーちゃんとお兄ちゃんの不思議なチョコレート工場(株)」は大きく成長していくのであった。




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