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95 ラゴス


 ナイジェリ国「ラゴス」

 アフリカ大陸南西部ベニン湾岸に位置する湾岸都市。「ラゴス」の由来は潟を意味する「ラグーン」である。「ナイジェリアの手紙」の拠点として有名。



「都会なのじゃ。」

「アフリカにビルがあるとは思わなかったな。」


 ビルと言っても石造りの3階建てくらいの建物だが、周辺の村が茅葺の竪穴住居みたいな暮らしをしているのと比べて驚きの発展具合だった。


 そこに、郵便配達員っぽい男がやってきた。


「お手紙が届いてまーす。」


「む、俺様に?」

「こんなところで手紙なのじゃ?」


 郵便配達員っぽい男から受け取った封筒を開いてい見るとそこには、


『こんにちわ。いきなりのお便りに驚いたことでしょう。私はナイジェリ国の裕福な人物なのですが、困って事があって是非あなたに助けてほしいのです。』


「のじゃ!ナイジェリ国の裕福な人物が困っておるのじゃ!!」

「続きがあるぜ。」


『ナイジェリ国では国内の資産の海外流出を防ぐため、裕福な人物の資産を海外に投資できなくしているのです。このままでは、海外で困ってる人々が困ってしまいます。そこで、裕福な人物の資産の一部を貴方にお預けして、国外に出たところで返還して欲しいのです。手数料はお支払いします。あなたしか信用できる人がいないのです。世界中の困っている人の為に是非お力をお貸しください。』


「頼られたならば答えねばなるまい。」

「妾が損をする事は無いのじゃ。助けるのじゃ。」


「変っすよ。こんな方法は危険っす。自分なら預かった資産を持ち逃げするっす。」

「それだけ俺様が信用されたという事だろうよ。」

「各地で善い行いをしてきたので名声が高まったのじゃ。」



 待ち合わせ場所に来た。


「ここに裕福な人物とやらが来るのか。」

「そろそろ指定の時間なのじゃ。」


 すると、いかにも詐欺師な感じの男がやってきた。


「こんにちわ。裕福な人物の資産を受け取る方ですか?」


「いかにも俺様こそが名声高き俺様だが、貴様は裕福な人物に見えんな。」

「誉広まる妾もいるのじゃが、妾の目から見ても控えめに言って詐欺師なのじゃ。」


「はい。実は裕福な人物にトラブルがありまして、、」


 詐欺師な感じの男の話を聞くに、政府当局に目を付けられた裕福な人物は待ち合わせ場所に来ることができずにいるらしい。


「そこで、裕福な人物の資産をあなたに預けるために3000円が必要なのです。」


「なんと、裕福な人物は無事なのか!」

「心配なのじゃ。」


「はい、身の安全は確保できているようなのですが、3000円が必要なのです。」


「しかし、3000円となると事だな。」

「2400円にならすぐに払えるのじゃ。」


「いいえ、3000円が必要なのです。」


「裕福な人物の資産はたくさんいっぱいっすよ。3000円くらいなら払っても得をするっすよ。」

「裕福な人物の資産は預かるだけなのじゃ。」

「俺たちは裕福な資産泥棒じゃないぜ。」


「もちろん、お支払いする手数料に上乗せしてお返ししますよ。なので、3000円が必要なのです。」


「仕方ないのじゃ。嫌々渋々3000円払うのじゃ。」


「はい、確かに頂きました。それでは、失礼します。」


 3000円を払うと男は帰っていった。


「、、、」

「、、、」


「この後はどうすればいいのじゃ?」

「さぁ、待てばいいのではないか?」


「、、、」

「、、、」


 しばらく、待ったが何もなかった。



「騙されたんじゃないっすか?」

「!」「まさか!?」


「3000円騙し取られたんすよ。」

「いやいやいや。」

「そんなはずないのじゃ!」


「帰ってこないっすよ?」

「よく考えてみるのじゃ!わざわざ妾達に手紙を出して、人を寄こして手間暇かけているのじゃ。3000円じゃ人件費にもならないのじゃ!この時代の手紙は送料が高いのじゃ!市内だったとしても3000円近くかかるのじゃ!詐欺だとしてもコストに見合わないのじゃ!!絶対に詐欺じゃないのじゃ!妾は騙されてはおらぬのじゃ!!」

「道理だ、詐欺じゃないな。」


「たぶん何かトラブルがあって困っているのじゃ。近くを探してみるのじゃ。」



 近くを散策していると、なぜか珈琲博士がいた。


「ぼ、僕はなぜか珈琲博士ですが、聞いてくださいよ。」

「聞こう。」「聞くのじゃ。」


「こ、ここナイジェリ国では大々的に珈琲を生産しているのですが、なぜか消費ほとんどはしていないのです。ほ、ほとんどのプランテーション農業で作業従事者は各品目の規格外品などを楽しんでいるのに、な、ナイジェリの人達は珈琲を飲まないのです。」

「なぜだ?」

「そ、それが、「苦い」かららしいのです。」

「たしかに珈琲は苦いのじゃ。」


「「珈琲」は「苦味」も楽しむものです。ゆ、許せませんよこんな事!!」

「そんな理由でここにいたのか?」


「い、いえ、実はお手紙が届きまして、」

「ほぅ。」

「人見知りのなぜか珈琲博士に知り合いなんかおったのじゃな。」


「じ、実は、僕も知らない人なんですが、ゆ、裕福な資産家が僕の事を知ってくれていたみたいで、」


「、、、」

「、、、」


「そ、その裕福な人物の資産を預かれば手数料が貰えるらしいのです。」


「、、、」

「、、、」


「な、なんですか、その眼は、ぼ、僕は手数料に目がくらんだ訳ではなく、せ、世界の困っている人の為に、裕福な人物の事業を少しお手伝いするだけですよ?」


「自分はわかったっす。それは詐欺っす。」

「いや、きっと世界中の困っている人にとって良い事だ。」

「道理なのじゃ。隠れてこっそりついて行くのじゃ。」


 ウキウキと待ち合わせ場所に向うなぜか珈琲博士の後をこっそり隠れてついて行った。


 すると、待ち合わせ場所に詐欺師っぽい男がやってきた。


「こんにちわ。裕福な人物の資産を受け取る方ですか?」

「は、はい。なぜか珈琲博士です。」


「せっかく来てもらって申し訳ないのですが、裕福な人物にトラブルがありまして、、」

「え、え、そ、それは大変だ。」


「裕福な人物の資産を貴方に預けるために3000円必要なのです。」

「そ、それは、もちろん3000円程度なら払いますよ。」


 なぜか珈琲博士はなぜか値切り交渉もせず3000円を払った。



 隠れてみていた俺様たちは、


「斬るか?」

「現行犯っす。出て行って逮捕するっす。」

「待つのじゃ。隠れてこっそり後をつけるのじゃ。」



 隠れてこっそりついて行くと、郵便局の近くにある詐欺師のアジトっぽい場所に来た。


「郵便配達員っぽい男もいるぜ。」

「はじめから仕込まれていたのじゃ。」


「ボスっぽい男もいるっす。」

「裕福な資産家には見えんな。」

「ここは郵便局でも資産家の家でもないのじゃ。つまり、盗賊のアジトなのじゃ。」

「自分は法律の勉強をしたから知ってるっす。盗賊は滅してもいいっす。」


 走って行ってアジトのドアを蹴破った。


「世界の人々の平和と3000円を取り返すために」

「妾が」

「俺様が」

「自分も」

「来たのじゃ!」「来てやったぜ!」「来たっす!」

「なぜか珈琲博士もいます。」



「な、なんだお前たちは!!」

「俺様は俺様だ。」「妾もいるのじゃ」

「自分はシチリア島から来たシラクサ一家の若衆っす。」


「ほう同業者か、有名なシチリアのマフィアが何の用だ?」


「シラクサ一家は人々の暮らしに寄り添ってるっす、詐欺集団と一緒にしないで欲しいっす。」

「無法者は所詮無法者だ。どんなにきれいごとを言ったって、本質は変わらんさ。」


「そんな事ないっす、自分たちはシチリアの人々に認められてるっす。グリーンピスタチオも差し入れしてもらえるっす。」


「聞いているぞ、シチリアのマフィアは都市国家「ヴェネツィア国」公認マフィア「ヴェネツィア一家」の傘下に入ったとな。」

「親分たちは、そんなロジスティクスで大儲けしていた国の傘下には入らないっす。」


「どこかの馬鹿な一家が「シチリアの猛る火山」に壊滅させられたとも聞いたな。」


「な!?お、親分達が、壊滅?」

「立派な火山だったのじゃ。」

「まるでエトナ山のようだったぜ。」


「じ、自分は、親分たちが心配っす。シチリアに帰るっす。」


 すると、詐欺師の親玉っぽい男が拳を振るった。


「詐欺師の親玉っぽい男が打ったのじゃ!」

「そ、そんな、、親分にも打たれた事ないのに、、」


「馬鹿野郎!お前が帰ってどうなるって言うんだ!親分達が信用できないのか!?」


 シラクサの若衆は悔しそうに下を向いた。


 そして、顔をあげた時、その瞳には決意の炎が燃えていた。


「自分はいま、燃えているっす。」



 なんと、誰かが火を放ったのか、盗賊のアジトは火事になっていた。


「大変なのじゃ!急いで消火するのじゃ!!」




 みんなで、火を消し止めて、共同作業をしたためか少し仲良くなった。


「とりあえず、妾の3000円を返して欲しいのじゃ。」

「ぼ、僕の3000円もお願いします。」


「あんた達はもう身内みたいなもんだから、返してやりたい所だが、、」


「のじゃ?」

「何かあるのか?」


「お金を取り戻す手続きを進めるためには3000円必要なんだ。」


「のじゃ!高すぎるのじゃ2400円じゃだめかの?」

「こっちもかなり頑張ってはいるんだが、3000円必要なんだ。」


「仕方ないのじゃ。3000円とり戻すために、嫌々渋々3000円払うのじゃ。」




 手続きに、しばらく時間がかかるという事で船に戻ってきた。


「おかえりなさい。聞いてくださいよ。」

 若いシスターはお喋りするのが大好きだ。


「わた、、あたし、街で手紙を貰ったんですよ。」


「のじゃ!」

「そ、それは、、」


「なんと、裕福な資産家があたしにお金を預けたいと言ってるんですよ。」


「自分にはわかるっす。それは詐欺っす。」


「当たり前じゃないですか。こんな古典的な方法に今時ひっかかる人なんていませんよね。」


「、、、」

「、、、」

「、、、」


 船の中でも何人かがギョッとした顔をしていた。





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