81 チャトカ
北米大陸イギリ女王国カロライナ植民地「チャトカ」
トレント川とニュース川の合流地点に位置する現地民たちの村。現在は「ニューバーン」になっている。
「ここが「回転するワニの部族」の取引所なのじゃ。」
「ホゥ、海の向こうから来たモノのくせに我らの部族の正しき呼び名を知っているカ、ドコカかの部族に友と認められたのダナ。正式な客としてモテナスぞ。」
「何年前にロアノーク島から消えた開拓民の集団を探しているのじゃ。」
「フム。開拓民なんぞ、コノ北米大陸中に何処にでもいるゾ。」
「赤みのかかったカワイイ金髪で、雪のような白いカワイイ肌で、猫さんのコインを持った赤ん坊を連れておるのじゃ。」
「猫ってナンダ?」
「にゃーなのじゃ。」
「ナルホドな。」
「回転するワニの部族」が管理する「チャトカ」には、北米中から現地民が集まっているので、情報もたくさん集まった。
「情報が多すぎて混乱して来たな。」
「現地民どもが嘘をついているのだ!!儂らを困らせようとしてるのだ!!」
「「ディープランニング」に得た情報を入力してみるのじゃ。」
情報を精査して結果、解かったことがあった。
「捜査の基本は足なのじゃ!目撃情報の地点に行ってみるのじゃ!!」
「「ディープランニング」で言うなら従おう。」
「さすがは「ディープランニング」だ。頼りになる。」
俺様達は赤ん坊を探すため、北米中を歩いて巡ることになった。
~「巣に籠るウサギの部族」の村~
「ウミの向こうから来た人達の子供を探しテイル?」
「何か知っているのか?」
「ソコにいるゾ」
そこに近くの村からきた顔にソバカスのある少年がいた。
「こんにちわ!近くの植民地から物々交換に来ました。」
「儂の孫にはソバカスなどない!!」
「妾達が探しているのは、赤みのかかった金髪で雪のような白い肌をし、ソバカスのない猫さんのコインを持っている女の子なのじゃ。」
「猫は新大陸にはいませんよ?」
「のじゃ!!猫がいないなどありえないのじゃ!ネズミはどうするのじゃ!?」
「港街には船乗りが連れてきた猫がいますよ。」
「猫を見たくなったから、港町に向うのじゃ!!」
~入植者たちの港町~
「いっぱいではないが猫がいるのじゃ。」
「にゃー」
「現地人も取引の為に訪れているな。」
「そなた、少し妾の話をきくのじゃ。」
「ナンダ?」
「妾達は何年か前に行方不明になった入植者の集団を探しているのじゃ。」
「ニュウ植民など幾らでもイル。カッテに来て勝手にキエル。」
「赤みのかかったカワイイ金髪で雪のような白いカワイイ肌をし、かわいいソバカスは無く、猫さんのコインを持っている赤子を探しているのじゃ。」
「猫ってナンダ?」
「これなのじゃ。」
「にゃー。」
「オォ!なんと愛らしい生き物か。オレの物にシタイ。」
「これは妾のものなのじゃ。」
「にゃー。」
「ミナミの方に「ネズミが氾濫する部族」の村がアル。ソコなら何かわかるかもシレナイ。」
「ありがとうなのじゃ。「ネズミが氾濫する部族」の村を目指すのじゃ!!」
「スコシ、遠いゾ。」
~道中~
「遠いな。」
「遠いのじゃ。」
「にゃ。」
「老体には堪えるが、孫に会うため諦めん!」
歩きながら四分儀とコンパスで現在地を測定していた手を停める。
「ここなのじゃ。」
「ぜーぜー、休憩か?」
「何もないぞ。」
「ここが「スペイ国」と「イギリ女王国」の国境なのじゃ。」
「ここが栄誉ある「イギリ女王国」と野蛮な「スペイ国」の国境?何も変わらんではないか?」
「本当に何もないな。」
「アフリカですら道の横に看板くらいは立てていたのじゃ。」
「本国では「イギリ女王国」の植民地は豊かで、「スペイ国」の植民地は荒れ果てておると聞いていた。。」
「にゃー。。」
「地図に定規で線を引いただけなのじゃ。」
「その地図すらもあったか怪しいがな。」
「「国」の形か、、、」
「にゃー、、、」
~「ネズミが氾濫する部族」の村~
「襲われているのじゃ。」
「「スペイ国」軍人が略奪してるな。」
「何を悠長な事を言ってるのだ!助けなければ!!」
「あれは、野蛮な現地民の村なのじゃ。」
「新大陸の日常だな。」
「かと言って、無辜の民が襲われているのだぞ!!」
「無辜かどうかも怪しいがな。」
「妾は法律の勉強をしたから知っておるのじゃ。」
「む、なにを?」
「海賊は倒してもいいのじゃ。軍人は倒すとやっかないのじゃ。」
「あれは軍人だな。」
「いや、軍人よりの海賊かもしれないのだ!!」
「海賊っぽい軍人だったらやっかいなのじゃ。」
「なぁ、あの腰についてる財布」
「なんだ!?今はそんな事を言ってる場合じゃないぞ!!」
「あの財布が俺様の財布のような気がするんだが、、」
「のじゃ!妾もはじめて見た男物の財布だけど、妾の財布のような気がしてきたのじゃ!」
「!!?。何を言ってるのだ??」
「つまり、あれは俺様の財布を盗んだ海賊だな。」
「海賊から妾の財布と水と食料とその他物資を取り返すのじゃ!!」
「スペイ国」の軍人っぽい海賊をひっくり返して撃退した。
「タスケてくれて、ありがトウ。」
「妾の財布を取り戻しただけなのじゃ。」
「あまりネズミが多いようには見えないな。」
「ムッ、我々「ネズミが氾濫する部族」を愚弄するノカ?」
「わざわざ港町からにゃー太を連れてきたのじゃ。。」
「にゃー。。」
「ソノ愛らしい生き物はナンダ?」
「猫なのじゃ。」
「猫はネズミを狩るのが得意なのじゃ。」
「ネズミが氾濫してるなら役に立つぜ。」
「マタ我らの「ネズミが氾濫する部族」を愚弄しタナ!、トウ賊どもから救ってくれたことには感謝すルガ、ホコリを傷つけるモノは出て行ってクレ!!」
「ネズミが氾濫する部族」の村から追い出された。
「なんという恩知らずな現地民どもだ!!」
「落ち着くのじゃ。生き方や在り方は、人によって違うのじゃ。」
「にゃー。」
「俺様の見立てでは、「スペイ国」領には探してる先遣隊は来ていないな。」
「妾も同感なのじゃ。一度、「回転するワニの部族」の「チャトカ」に戻るのじゃ。」
様々な現地民の集落を経由して「チャトカ」に戻ってきた。
「ぜーぜー。一口に現地民と言っても、いろいろとあるのだな。」
そこに幼い現地民の少女が水筒を持ってきた。
「おじいちゃん疲れたの?お水あげる。」
「む、、、、あ、ありがとう。」
「現地民に施しを受けてるのじゃw」
「誇り高き「イギリ女王国」民様がw」
「う、うるさい。儂も孫を持つ身だ!少女の親切に対してツベコベ言わん!!」
お礼にキャンディをあげると少女は嬉しそうに去っていった。
「、、儂の孫も、あの子のように優しく育っておるだろうか。。」
「回転するワニの部族」の若モノが話しかけてきた。
「オイ、何年か前にウミの向こうから来た集団が西に向ったのを見たモノがいタゾ。」
「新しい情報なのじゃ。」
「今度は西か。。」
「もう疲れたのじゃ。」
「ずっと歩きだしだな。」
「ラクダに乗りたいのじゃ。」
「チョうど「フタ瘤ラクダのヒト瘤の部族」が見たラシイぞ。」
「これも何かの縁なのじゃ。「フタ瘤ラクダのヒト瘤の部族」の村に向うのじゃ!!」
~「フタ瘤ラクダのヒト瘤の部族」の村~
「ナン年か前に西に向ったウミの向こうから来た人達の事はよく覚えてイル。」
「のじゃ!フラグが立ってイベントが進みそうなのじゃ。」
「延々と歩いたかいがあったな。」
そこに現地人の女性が入ってきた。
「オトウサン、客人が来て、私をお呼びと聞きましたが、、」
その女性は現地人の恰好をしているが、赤みのかかった金髪で雪のようなソバカスのない白い肌をしていた。
「のじゃ!」
「これは、、」
「コレは私の娘デス。ヨイ機会なのでお前も話を聞きナサイ。」
「はい、オトウサン。」
「フタ瘤ラクダのヒト瘤の部族」の族長の話では、20年程前にボロボロで困窮し小さな幼女を連れた西洋人の一団がこの村を訪れた。彼らは自分たちが安全に暮らせる土地を探して、ここより西の誰もいない地を目指しているという。
族長はそんな危険な旅に幼子を連れて行くのは忍びないと説得し、西洋人の一団はかなり悩んだ末に族長に女の子を託した。落ち着ける場所を見つけたら迎えに来ると言い残し彼らは旅を続けた。
結局、西洋人達が戻ってこなかった。
「ソノ時に託された赤子がオマエだ。胸につけてるブローチがオマエの本当の両親が唯一おまえに残したモノだ。」
女性の胸元には「猫さんのブローチ」がついていた。
「君は、、、儂の、、」
何か言おうとした老人の言葉にかぶせるように、
「オ父サン。私が「フタ瘤ラクダのヒト瘤の部族」の中で一人だけ容姿が違う事には気付いてマシタ。この髪や眼や肌が煩わしく思えたこともありマシタ。ケレド、今は、そんな事は関係ないのデス。」
「、、、」
「私は今までもコレからも「フタ瘤ラクダのヒト瘤の部族」の娘です。お父さんの娘デス。」
族長は眼から涙が流れた。
老人は静かにその場を立ち去った。
追いかけて外に出ると老人は空を見ていた。
「今回は世話になったな、、儂はロアノーク島に帰って孫を探し続けるよ。。」
結局、老人をロアノーク島まで送り届けた。
老人は亡くなるまで探し続けた。それこそロアノーク島の隅から隅まで何度も何度も探し続けた。
「草むらの中や、石の下にはお孫さんはいないのじゃ。。」
「自分はわかったっす。探してるお孫さんは、たぶん、あの女性っすよ。」
「だろうな。」
「老人に自分の気付いたお孫さんの行方を教えてあげるっす。」
「やめておけ。」
「なぜっすか?あんなに一生懸命に探しているっす。」
「あれはアレでいいんだ。。」
「自分にはよくわからないっす。」
「俺様にもわからんさ。」
「にゃー。」
「にゃー太もこの島に残るのか?」
「にゃ。」
「猫は、人との寄り添い方がうまいのじゃ。」
「あの老人の救いになるといいな。」
出会いと別れを繰り返し、俺様達の船旅は続いていくのであった。




