71 ウェルミントン
「デラウェア川の周辺はスウェーデが領有しているのじゃ。」
「ほぅ珍しいな。」
「グリーンランドの温泉を掘るときに一人だけ役に立たなかった国なのじゃ。」
「武器が得意とか言ってたな。」
「そういえば妾の船にも役に立ってない人が多くなってきたのじゃ。」
「私はワイン博士ですが、こちらではワインの生産がまだ軌道に乗ってないようで、少々お値段が張るのです。回教帝国の闇市場の方が安かったくらいですね。」
「ぼ、僕はなぜか珈琲博士ですが、カリブ海で珈琲の栽培が始まっていると聞いていたので楽しみにしていたのですが、カリブ産の珈琲豆は一度ヨーロピアに渡ってから、この北米に来るんですよ。し、信じられません。」
「私の担当するヨーグルトも、まだ乳の供給が安定しないため工場を作れない状態です。」
「パオッシブ、私が担当する予定だった北海油田のエピソードは物語の都合でカットされました。」
「自分は地中海に浮かぶシチリア島の様に存在感のある筋肉でどこに行っても通じるっす。」
「。」
「ドラコはただそこに居てくれるだけでいいんだ。」
「船が、」
「ぴー」
「ぴーちゃんは「ウィルミントンは武器の売買が盛んで、そのために鍛冶屋が集まってきており造船業も育ってきている。」と言ってる。」
「有能だった「闇商人」をスエズ近くの妾の村に置いてきてしまったのが悔やまれるのじゃ。」
「俺様の学校の開校準備を任せたのだったな。」
「へへっ。実はずっと乗ってやしたぜ。」
「のじゃ!妾の学校の準備はどうしたのじゃ?」
「へへ、あっしの村の若いのに任せてきましたぜ。これも勉強ですぜ。」
「勉強なら仕方ないのじゃ。」
「ふ、態勢は万全のようだな。」
「出欠確認も終わったのじゃ。上陸して「ウィルミントン」を調査するのじゃ!!」
北米大陸スウェーデ国領「ウィルミントン」
太平洋西岸デラウェア川河口付近にある街。名前の由来は後の世のイギリ首相。
「現地人に武器を売って、新大陸の情勢を不穏にしてる輩を探そうと思ったのじゃが、、」
「普通に売ってるな。」
「もっと闇取引的なものを想像していたのじゃ。」
そこに訳知り顔の商人がやってきた。
「話は聞かせてもらったぜ!」
「む、そなたは!?」
「俺は訳知り顔の商人さ。」
「知ってる訳を話してもらうぞ。」
「ま、そんなに訳を知ってる訳でもないんだがね。」
「スウェーデの新大陸に対する考え方は他の国とは違うのさ。」
「海外領土の確保と、そこで栽培される高価格商品の販売で儲けを出すためじゃないのか?」
「海外領地の確保は違いないが、スウェーデが求めているのは、本国で生産される産物の販売先なのさ。」
「それはどこの国でも同じことなのじゃ。」
「スウェーデの場合は、その売りたいものが「武器」さ。他の国にとってはあまり自分に使われる可能性のある相手には売りたくない物なのだ。」
「そうやって争いの火種をばらまいておるのじゃな。」
「とんでもない。スウェーデがばら撒いているのは、自身の身を守る権利だぜ?」
「のじゃ?」
「現地人や、植民してきた人々は各国から自分を守る権利を奪われているのさ。」
「よくわからん。わかりやすく言え。」
「この北米では危険な野生動物もたくさんいるのに、家族を守るための道具が所持することを禁止されているのです。」
「それはよくない事なのじゃ。」
「骨で作った槍をもっていたぞ。」
「そんなもので銃で武装した野蛮人から大事なものを守れるかよ。」
「わからなくなってきたのじゃ。」
「スウェーデの商人は安全を売っているのさ。」
「なんか善い事に思えてきたのじゃ。」
「俺様も船にキャルバリン砲つんでるしな。」
俺様が悩んでいると、現地人らしき人がやってきた。
「オイ、武器を売ってくれ。」
「へい、昨日もお買い上げでしたが、お気に召さなかったですか?」
「イイブキだったが、植民どもがより強い武器を持ってきたのだ。」
「そいつはいけねぇ。こっちにもっと強い武器がありますよ。」
「ウム。その武器を買おう。」
しばらくすると、植民らしき人がやってきた。
「おーい。武器を売ってくれ。」
「へい、昨日もお売りしましたが、問題がありましたか?」
「いや、とても気に入っていたんだが、現地民がもっと強い武器を持ってきたんだ。」
「それは物騒ですね。もっと強い武器をお売りしますよ。」
「おぉー。ありがとう。これで安心して暮らせるよ。」
また、現地人がやってきた。
「オイ、武器を買いたいんだ。」
「へい、さっきの武器はどうされましたか?」
「イイブキだったが、植民がもっと強い武器を持っていたのだ。」
「、、、」
「、、、」
「やっぱり悪いことなのじゃ。」




