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7 マルセイユ

 ギャンブル狂いのおっさんは、勝手に俺様達の船をあちこち見て回り、いろいろ修繕した後、一度ドックに入れたいからマルセイユに寄港しろとか言い出した。


「悪いな、先を急ぐ身でな」

「ダメだ。整備する」


 このギャンブルに狂い娘に家を追い出されおっさんは、娘と似て押しが強い。油断するとこのおっさんを押し付けられたときみたいに、回想を挟んでいつのまにか整備に入っているかもしれない。


「整備ならモナコでいいじゃないか?」

「ダメだ。高い」

「そもそもおっさんのポーカーの大会のためにモナコに行くんだぞ。?」

「でない。」

「ん?大会にでないのか?」

「大会にはでる。」


「ポーカーじゃなくて、たぶんテキサスホールデムなのじゃ。」

「一緒だろ?」

「怒!全然違うのじゃ!!」


「私がワイン博士のワイン学会も迫っているんだぜ」

「マルセイユのワインと言えばプロヴァンス。古くからフラン王国有数のワインの産地であり、地中海沿岸の温暖な気候とミストラルによってもたらされる新鮮で乾燥した空気が、ワインの生育に丁度よいのです。」

「のじゃ」

「そうです、私がワイン博士です。」


「まぁまぁ、マルセイユといえばあれじゃ。」

「あれか!」


「ブイヤベースなのじゃ!」


 寄港することになった。



 フラン王国マルセイユ

 南フランの貿易、商業、工業の一大中心地であり、あのマークパンサーの出身地でもある。


「さて、美味しいブイヤベースのある食堂をさがすのじゃ。」


 すると、いかにも食堂の娘という体の食堂の娘が声を掛けてきた。


「お嬢さんお目が高いですね。マルセイユといえばブイヤベース。私の家の食堂ではブイヤベースっぽいすごく美味しいものをお出しできますよ。」


 食堂の娘は小綺麗な恰好をしていて、態度もよく、誠実そうに見えたので、味も期待できるとついて行こうとすると、


「ちょっと待った!」

「のじゃ!?」

「私はブイヤベース護り隊。この子について行ってはなりません。」

「また変な揉め事がはじまったな。」


「く、ブイヤベース護り隊!また、私たちの邪魔をするのね!」



「お嬢さん!この子の店ではブイヤベースにトマトをいれるのです!」


「そ、それは、、「アクアパッツァ」なのじゃ!!」

「今の時期は新鮮で美味しいからいいのよ!」


「我々、ブイヤベース護り隊は正しい観光資源保護のため、正しいブイヤベースをだす優良店を予算に合わせて案内します。」


「いつもいつも、そうやって私たちから客を奪って、この前、塩鮭を使った時だって!」

「そ、それは、、「三平汁」なのじゃ!!」


「塩鮭がダメなら生鮭をバターで味付けしてみたの」

「そ、それは、、「石狩鍋」なのじゃ!!」


「煮込むのやめて、鉄板焼きにしたわ。」

「そ、それは、、「チャンチャン焼き」なのじゃ!!」


 少女は正しい観光資源保護プログラムによる再教育を受けるために連れていかれた。


「ふぅこれで、正しい観光資源は護られるのじゃ。」


「俺はもうダメだ。」


 そこには、娘が連れていかれた食堂の店主っぽいおっさんがいた。


「また、へんな揉め事がはじまったのじゃ。」

「看板娘が連れていかれたので俺の店はもうダメだ。」


「立ちなおっさん」

「俺はもうダメだ。」

「俺様の船では腕のいい料理人を探しているのさ。」


 何時も泣いてた食堂のおっさんは今宵こそはと喜びました。






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