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65 グリーンランド


 アイスランド港町「レイキャビク」

 アイスランド島南西部に位置する。名前の由来は「煙たなびく湾」。温泉の湯気を火事の煙と勘違いしたと言われている。


 いつもの商会の出張所の会議室


「無理です。」

「無理は承知なのじゃ!無理と言うから無理なのじゃ。無理でもやるのじゃ!」

「グリーンランドは、ほぼ全域氷に覆われています。」

「それがどうしたのじゃ。」

「知ってますか?氷の上に草は生えないのです。」

「生やすのじゃww」


 北大西洋航路の安全のために、グリーンランドに補給基地をどのように作るかで議論されていた。


「現地である程度の食料を生産できないと、基地を維持できないのじゃ。」

「魚ならとれますがね。」

「人はアザラシと違うのじゃ。魚だけでは生きていけないのじゃ。」

「エビもいますよ。」

「植物の話をしているのじゃ。」


「野生の植物が生えていないのですから、植物の生育に向かないのですよ。」

「人間は知恵で自然を自分たちの都合の良い形に変えてきたのじゃ。」

「知恵にも限度がありますよ。」

「ここアイスランドでも小麦を育てているのじゃ。寒さに強い品種を持っていくのじゃ。」

「ここには温泉があるでしょうが!!」



「温泉があればいいのじゃな?」


「もしグリーンランドに温泉があるなら、農夫でもなんでも連れてきてあげますよ!」

「その言葉わすれるでないのじゃ!!」


 と、いう事でグリーンランドに温泉を掘りに行く事になった。




「のじゃのじゃ!いつもの商会はいつも頭が堅いのじゃ!」

「役人仕事だな。」


 そこにいかにも北欧諸国から派遣されてきた合同探検隊の一員風の男たちがきた。


「話は聞かせてもらいました。是非、僕たちも協力させてくれ。」

「のじゃ!そなた達は!?」

「僕たちは北欧諸国から派遣されてきた合同探検隊の一員だ。」


「僕はノルウエから来た。フィヨルドでの暮らし方と、木材の豊富さが売りだ。」

「僕はスエーデンからきた。武器は任せろ。」

「僕はフィンランからだ。サウナには知見があるぜ。」


「いつも、仲たがいしている北欧の人々が手をとりあったのじゃ。」

「フィヨルドがリアス式海岸とは違うというところを見せてやるぜ。」


「妾はいま猛烈に感動しているのじゃ。」


「グリーンランドに温泉をつくるため、」

「妾が」

「俺様が」

「僕達が」

「行くのじゃ!」「行くぜ!」「行きますぞ!」「行くべ!」「行ってきます!」



 ツルハシとスコップを買って出発した。




 船に乗って「グリーンランド」に到着した。


「こ、これは、、、」

「氷しかないのじゃ。。」

「草も生えんぞ、、」


「こんなところで温泉を掘るなんて無理なのじゃ。。」


「馬鹿野郎!!」

「のじゃ!?」


「無理は承知だ。無理と言うから無理なのだ。無理でもやるのさ!」

「のじゃ、けど、、けれどのじゃ、、」


「極寒の地に生える針葉樹は真っ直ぐに天を目指すのさ。」

「のじゃ!妾が間違えておったのじゃ!!」

「判ればいいんだ。」



「妾に考えがあるのじゃ。」

「言ってみろ。」


「そなた達の国は社会保障が充実しているときいたのじゃ。」

「もちろんだ、僕の国の誇りだ。」

「僕の国も負けてませんよ。」

「人々の安寧な暮らしこそ社会の基盤だ。」


「妾は新たに「老齢給付年金」という社会保障制度を考えたのじゃ。」

「なに?」「なんだそれは?」「聞いたこともないぞ。」


「人は歳をとると体を動かすのが大変になるのじゃ。」

「たしかに!」「僕もしんどくなってきた。」「仕方のないことだ。」


「そうすると、働いてお金を稼ぐのが難しいのじゃ。」

「貯蓄しているぞ。」「歳はとりたくないな」「無念なり。」


「そんな人々の生活を守るため、若い人たちの給金から少しづつ徴収するのじゃ。それを老いた人たちに配れば、みんな豊かになるのじゃ。」

「おぉ!素晴らしい。」「僕の国にも取り入れるぜ。」「なかなかやるね。」


「しかし、今はグリーンランドに温泉を作る話をしていたのでは?」

「そうだそうだ!」「危うく騙されるところだった。」



「まぁ聞くのじゃ。」

「聞こう!」「少しだけだぞ。」「早く温泉に入りたい。」


「老いた人といっても、全員に際限なく配っていては破綻するのじゃ。」

「それはそうだ。」「金は無限にないからな。」「致し方なし。」


「若い時にちゃんとお金を納めた人だけに給付するのじゃ。」

「当然だ。」「公平だな。」「危うく損をするところだった。」


「いま、現在、若いときにお金を納めた老人はおらんのじゃ。」

「なんと!」「面妖な!?」「不思議なことだ。」


「このままではお金が余ってしまって困るのじゃ。」

「それはいけない!。」「みんなのお金だぞ!」「困ったな。」


「のじゃ。この余ったお金はみんなの為に使うべきなのじゃ!」

「なるほど!」「繋がったな!」「見えてきたぜ。」


 新たな社会保障制度の余剰金を、新大陸への新航路開拓のための基地建設への投資にまわすことになった。



「なかなか温泉でないのじゃ。」

「大丈夫だ。僕の国から資材と作業員をたくさん連れてきた。」

「いっそ、サウナにしないか?氷なら砕くほどあるし、、」

「燃料はどうする?」

「私の国の木材を使えばよろしい。」

「クジラを捕ってもいいね。」


「いっそのこと観覧車も建てませんか?」

「いいねー!」「素晴らしい。」


「お金は大丈夫なのか?」

「それこそ、温泉のように無限に湧いてきますよ。」


「妾の調べた限り、東洋のある国では遊園地を作っても、劇場を作っても、ホテルを作っても役人のポケットにしまい込んでも年金はなくならなかったのじゃ。」

「それは安心だ。」


 結局、温泉はでなかったけれど、年金はずっと重く残った。



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