63 ベルゲン
ノルウエ国港町「ベルゲン」
ノルウエ西岸、北海に面している。ハンザ同盟によって作られたノルウエ北部との交易の拠点であった。
「この辺りの船乗りは極寒の海での船の扱いになれているのじゃ。」
「先人の知恵を拝借だな。」
「儂らは別に今の暮らしのままで満足だで。」
話を聞いたノルウエ船乗りは新大陸にあまり興味がないようだ。
「「新生ハンザ同盟」のおかげで、ロシヤの奴らが静かになって、困ってることはとくにないべや。」
「新大陸と航路が繋がったら豊かになるのじゃ。」
「「豊か」ってなんだぁ?」
「のじゃ!」
「儂らは船にのってサーモンが採れて、家に帰ってかあちゃんの顔みて、命の水が飲めれば満足よ。」
「至当なのじゃ。」
「あんたら、北の海にでるんなら、心構えを整えたほうがええよ。」
「のじゃ?」
「海は人間の小さな欲望なんて見透かしとうからの。のまれるべ。」
「御忠告、痛みいるのじゃ。」
北大西洋の航海に耐えれるように、船の整備と改造をしていたのだが、例によってギャンブル狂いのおっさんがまた我儘をいいだした。
「砕氷船に改造したら重くなるのじゃ。」
「必要だ。」
「キャラベル船はその軽さを利用した軽快な操作性が売りなのじゃ。」
「弱い。」
「帆船で氷を砕きながら進むほどの動力が得られるはずがないのじゃ。」
「浪漫だ。」
何を思ったか、ギャンブル狂いのおっさんは船の重さを利用して、氷に乗り上げ船底で砕く砕氷機構を搭載しようと言い出したのだ。
「そもそも20世紀の技術なのじゃ!知識チートは無しなのじゃ!!」
「だが、流氷に挟まれた時に圧壊しないぐらいの強度は必要だぞ。」
「必要だ。」
「夏の間に暖かい場所につくから大丈夫なのじゃ。」
「おいおい、技術の都合で物語の進行状況を決めるなんてフェアじゃないぜ?」
「勝手に溜まっていく「ワイン」を飲み干してまで軽量化に努めている妾の努力を考慮してほしいのじゃ。」
「私がワイン博士ですが、聞き捨てなりませんです。どうも、「ワイン」の減りが早いと思っていました。みなさんに好きな時に好きなだけ「ワイン」を楽しんでいただこうと目をつむっていましたが、今回の改装では私のワイン保管室に鍵を付けることを強く希望するのです。」
「自分は筋トレルームが欲しいっす。」
「乳の確保の為に家畜を飼いましょう。」
「どんどん船が重くなるのじゃ。ダイエットは乙女に必須項目なのじゃ。」
「ぼ、僕はなぜか珈琲博士ですが、こ、珈琲豆を粉にするために圧搾機があれば助かるのですが、、」
「コンソンツノ、種から油を絞れます!」
「な!ドラコは絞らせないぞ。」
「いちいち調べるのが面倒だからフラン語は禁止と言ったはずなのじゃ。これだからフラン人はフラン人なのじゃ。」
みんなが好き勝手に自分の欲しい物をいう場になってきた。
「ふ、圧搾機か、、俺様に考えがある!」
「のじゃ!くだらないアイデアなら承知しないのじゃ。」
「どうせ大した策じゃないですよ。」
「ぼ、僕は体温を保つ珈琲の入れ方を考えないと、、」
「自分も今日の筋トレメニューが残ってるっす。」
「ドリルだ。」
「!」「な!!」「!」「なんと!」「!!」
「なんなのじゃ、この反応は?」
「船首にドリルをつけて、螺旋の力で氷を砕く!!」
「走り出した思いが今でもこの胸を確かに叩いているのじゃ。」
「出揃ったようだな。」
「任せろ。」
こうして、大西洋横断用の装備を整え航海にむかうのであった。
グレンラガンを参考にしました。




