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52 紅海


 回教帝国イエメ州「モカ」

 アラビア半島の南西部。紅海に面している。



 「え、「エチオピ」原産である「珈琲」はまずはアラビアで流行しました。この港には紅海対岸の「エチオピ」からたくさんの「珈琲」が流れてきたのです。それを見かけた「ヴェネツィア」の商人が「珈琲」をヨーロピアに紹介したのです。長らくこの港から「珈琲」がヨーロピアに出荷されていた為、「珈琲」の事をモカと呼ぶ習慣ができたのです。」



「「オーマ」の商人との会談でアラビア人も怖くないと知ったので、回教帝国に来てみたのじゃが、ここは少々怖いのじゃ。」

「回教帝国もいろいろあるな。」

「時代柄、武装は嗜みとは言え市民がみな刀をさしておるのじゃ。」

「勇気と行動力が評価されると聞いた。」

「カートを噛んでる人も多くみかけるのじゃ。」


 「カート」は熱帯地方に生息する葉を噛んで高揚感や多幸感を得られる覚醒剤の一種である。


「き、貴重なアラビア半島の農地が「珈琲」ではなく「カート」の栽培に使われるの由々しき事態ですね。」

「アデン湾は海賊が多いとも聞くな。」

「同じアラビア半島の南端でも「オーマ国」とはだいぶ事情が違うようなのじゃ。」


 そこに「ポルトガ国」が自国の商人を守るため、アデン湾及び紅海に艦隊を派遣するとのニュースが入ってきた。


「ポルトガの横暴を許すな―!」

「我らの勇気を示す時だ!!」

「我らの海からポルトガを追い出せ!」


 「イエメ州」の人々は「ポルトガ国」の横暴にいきり立った。


「妾たちもポルトガの商人と見られるかの?」

「さぁ?奴らにとっては西洋人は全部いっしょだろうな。」

「モカ珈琲を買ったらさっさと退散するのじゃ。」


 町の様子が物騒なので離れる事にした。




 エチオピ帝国エストリ州都市「マッサワ」

 アフリカ大陸北東部、紅海に面している。エチオピ帝国の輸出入の9割を担う重要な港。


「こちら側は十字教の影響が強そうなのじゃ。」

「教会もあるしな。」


 話を聞いた西洋人の商人が近づいてきた。


「ここマッサワは「ヴェネツィア」の商人が買い付けに訪れるため、イタリ都市国家群の影響が強いのですよ。」

「むむっ。「ヴェネツィア」はなぜか妾たちを地中海で目の敵にしていたのじゃ。もしや、そなたは!?」

「はい、私は「ヴェネツィア」系の商人でございます。」


「斬るか?」

「のじゃ。話を聞いてみるのじゃ。」


「賢明な判断に感謝します。「ヴェネツィア」はあなた方へ協力したいと考えているのです。」

「協力のじゃ?」

「はい。協力でございます。」

「学校の事かの?」


「学校?そちらの件はあいにくと耳に挟んでおりませんでした。もし、なにかご入用でしたら是非ともご協力させて頂ければ幸いです。」

「ふむ。それでは何を協力してくれるのじゃ?」


「皆さんが「ジエッダ」で進めている事業についてです。」


「全く一切しらないのじゃ。」

「一切、全く知らないな。」

「またまた、ご謙遜を。「ヴェネツィア」の耳は紅海にも届いているんですよ?」


 30分くらい話したが全く一切、心当たりがなかったのでヴェネツィア商人とともに直接現地に行ってみることにした。




 回教帝国サウジ州都市「ジェッダ」

 アラビア半島の西部。紅海に面している。


「なんか見たことのある町なのじゃ。」

「俺様も来たことがある気がする。」


「へへっ、お久しぶりですぜ。」


「なんか見たことある人なのじゃ。」

「俺様も知ってる人のような気がする。」


「へへっ、皆さんと別れたあと、あっしの村とジエッダを行き来して準備をすすめときやしたぜ。」

「む、妾の村に何かあったかの?」

「俺様の村には何もなかったはずだが、、」


「ほら、あれですぜ、「ブドウ」がなぜかたまたま幸せな液体に変わるやつでさ。」


「のじゃ!思い出したじゃ!!」

「それですぜ。」


「お酒が宗教的に禁止されている回教帝国内で「ワイン」を密造して、巡礼に来る敬虔な回教徒に「ワイン」を売りつける計画があったのじゃ!!」


 そこに警察が通りかかった。


「ピッピ―!!お酒の話が聞こえたー!!逮捕!!逮捕ーー!!」


「やっべ!逃げるぜ!!」

「逃げるのじゃ!」



 船の上


「まだ、妾の力が足りてなかったようじゃ。」

「俺様も腕を磨いてまた来るぜ。」

「「ジエッダ」よ、しばしの別れなのじゃ!」



 逃げ遅れた「ヴェネツィア」の商人は警察に捕まった。





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