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40 ドラゴンブラッドハンティング

 回教帝国イエメ州ソコトラ島

 アラビア半島の南、またはアフリカのアシール岬の東に位置する全長100km程の島。過酷な気象状況の下で動植物は独自の進化をとげ「インド洋のガラパゴス」と呼ばれている。


「まるで異世界のような景色なのじゃ。」

「この物語もファンタジーだがな。」

「情緒の問題なのじゃ。」


「ついでなのじゃ、この物語では実在する人物や組織の名称によく似た名前があるのじゃが、全く一切関係ないのじゃ。」


 俺様達はこの島に珍しい特産品があると聞き手に入れに来たのだ。


「ここの特産品は「竜の血」なのじゃ。」

「なんて、ワクワクする名前だろうか」

「なんと「竜の血」は樹からとれるのじゃ。」

「樹属性のドラゴンとは珍しいな。」


「まぁ妾達はいつもの交易所の支店で買うんじゃがな。」

「む!?狩りはしないのか?」

「バリスタあるぞ」

「落ち着くのじゃ。」

「ドラゴンと聞いて騒がない血があるだろうか?」

「自分の血は溶岩のように燃えているっす。」

「ギャンブル狂いのおっさんも大型生物捕獲用仕掛け弓をしまうのじゃ。」


 小麦粉を焼いたパンらしきものを食べて落ち着いた。


「うまいのじゃ。むちゃむちゃ。」

「少し油っぽいな。ムシャムシャ。」


「「竜の血」の採取は許可されたハンターのみが行うのじゃ。」

「む、ギルドに登録するか。」

「とりえず許可証持ちのハンターにアポとったから面談にいくのじゃ。」

「どんなツワモノが出てくるのか、ワクワクするぜ!」


 俺様達が約束した近くの小汚い民家を訪れると、そこにはヨボヨボのやせ細ったお爺ちゃんがいた。


「ドラゴンに挑まんとする強くて立派なハンターをだしやがれ!」

「儂が代々「竜の血」を採取している採取人じゃ。」


「こんな細腕で竜に挑むとは、、なかなか勇気ある吾人と見た!」

「なぁに大したことはしとらん。」

「ふ、ご謙遜を。ドラゴンの太くて堅い首を切り落としたという「竜斬剣」(ドラゴンキラー)を見せてくれ。」

「切り落としてしまっては「竜の血」の採取に差し障るでな、傷をつけて「竜の血」だけを採取するのじゃ。」

「なんと!強大なドラゴンを意のままに操るというのか!!」

「ちなみにこの鉈で切目を入れる。」

「おぉこれがあの伝説の、、普通の鉈に見えて、よく手入れの良き届いた普通の鉈だ。」

「樹皮はなかなか堅いでな。歳をとっちまって骨がおれるさ。」

「竜の鱗を切り裂き、骨まで折るのか!!」

「ま、産まれた時からやっとるでの。」

「なんとも立派なハンターか。御見それしました。」ペコリ



「だがのぉ」

「む?師匠、何かあるのか?」

「最近は、「竜の血」がとれなくなってきての。」

「なんと、それは困るな。」


「天敵が現れたのじゃよ。」

「ま、まさか生態系のトップであるドラゴンに天敵が?」

「そのまさかじゃよ。儂もまさか1000年以上も生きる竜血樹がヤギごときに駆逐されそうになるとは思わなんだ。」

「や、や、ヤギだと!!」

「ヤギじゃ。」

「あの「めー」って鳴く「山羊」か?」

「そうじゃ、その「ヤギ」じゃ」

「馬鹿な、俺の故郷では10やそこらの幼子でも締めれるぞ。」

「育ち切った竜血樹はとても大きいが、芽が出たばかりは小さいからな、簡単に食われてしまうのじゃ。」

「な、竜は子を崖から突き落とすというが、、、大人は守らないのか!?」

「儂らは出来るだけ保護しとるがの。なんせ数が多い」

「そんなにか、まさしく怒涛の山羊だな。」


「ヨーロピアからの商人がようけ来るようになって、この島には人が増えた。その人々が食うていくためには島内での食料生産が必要だったのよ。」

「それではまるで、人が竜を滅ぼした様ではないか!?」

「まだ滅びておらんが、遠からずそうなるじゃろうな。」

「く、山羊ごときで、、そこまで、、」

「ヤギはなんでも食うからの。あいつらが通った後には草も生えんさ」

「ww」

「w」


「神が世界を作ったが、アラビアの砂漠はヤギが作った」

「いや、環境の変化だ。」

「氷河期が終わったからじゃの」


 少し空気が変わったのでお茶を入れた。


「「竜の血」の需要も上がっとる。」

「む?そもそも何につかうんだ?」

「古くから珍しい薬や調度品として重宝されとったが、最近は染料としても利用されとるようじゃの。」

「楽器類に赤みを出すためにニスに混ぜて塗るのじゃ。」

「儂はバイオリンが憎い。あの女の悲鳴のような音色を聞くと、竜血樹達が血の涙を流してる景色が見える。」

「竜血樹に鉈をいれて、竜血を採取してるのはハンターなのじゃ。」


「儂は他にできる事がないから、「竜の血」の採取を続けるしかないが、お前さんたちにはかえる場所があるんだろ?」

「あぁ、師匠のいうとおり、俺様の戦う場所はここでは無かったらしい。」

「大海原が待っているのじゃ。」

「また近くに寄ったら聞かせておくれ、お前さん方の武勇伝を」


「ふ、期待して待ってな」



 新たな想いを胸に秘め、俺様の旅は続くのであった。




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