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36 アレキサンドリア



「「回教帝国」への入国許可がおりないのじゃ。」

「きっとまた「ヴェネツィア」が暗躍しているな。」

「「アンタキヤ」と「エルサレム」は後回しにするしかないのじゃ。。」

「この身一つなら許可はとれるのですが、せっかくここまで一緒にきたのですから、ご一緒に素晴らしき総主教庁を見たいですね。」


「とりあえず、入港の許可のでる「アレクサンドリア」に行ってそこから考えるか?」

「「アレクサンドリア」の総主教様とやらにアレしてもらうのじゃ。」

「アレだな。」

「どれですか!?」


「進路南南東!アレクサンドリアを目指すのじゃ!!

「ごぶー!!」


 回教帝国エジプ州「アレクサンドリア」

 ナイル川河口に位置し、地中海とアラビアを結ぶ重要な貿易拠点として発展した。アレクサンダー大王が征服した地に作った複数の「アレクサンドリア」のうちの一つである。


「エジプでは古代の壁画などからワインを飲む習慣があったと思われますが、飲酒を禁じている回教の国になって以来ワインの製造は途絶えたと思われますです。」

「む、お前は!?」

「そうです、私がワイン博士です。」


「この後、お酒が飲めない回教の国をまわるのであれば、私が役に立てる機会は少ないと言わざるを得ないです。」

「ミルクの研究でもするか?」

「はは、この旅が終われば故郷でブドウ畑でも育てるつもりです。」


「私がワイン博士とも長い付き合いになったのじゃ。」

「はい。ボルドーでワインの伝染病の治療をした時に初めてお会いして、いろいろありましたが、ここまでなんとかついてきましたのです。」

「まぁまだまだ俺様たちの旅はつづくさ。」

「はい。この回教の国はワインを飲めないのでツラいですが、暑い夏の日に十分に汗をかいた後飲むワインもいいものです。」


 ワイン博士はワインの話をしながら手癖でワインを抜いて、ぐっとワインを喉に流し込んだ。

「やはりワインはいいですな。これは前話のロドスで手に入れたスパークリングの今年のものですが、従来通り作法に基づいた鼻を抜ける飲み味がたまりませんです。」


 そこに警察がやってきた。

「ぴぃっぴぴーー!!飲酒行為確認!!逮捕ー!!逮捕ーー!!」


「やっべ!逃げるのぜ」

「逃げるのじゃ!」


「私はワイン博士ですがもうダメです。ワインの飲み過ぎで視界がグラグラして、脱水症状から一気に水分を摂取したからでしょうか、少々酔いの周りが速すぎて、走って逃げることができないようです。」

「そういうのいいから速く走れ!」

「走るのじゃ」


「どうやら私はここまでのようです。頭の中のワイン棚も空っぽです。。」

「く、なぜだ!なぜ俺様たちがこんな悲しい別れをせねばならんのだ!」

「ワインは一期一会です、次にコルクを抜くときに、皆様の笑顔がありますように。。」


「ワイン博士ーーー!!」

「そうです私がワイン博士です。」


 私がワイン博士ですは警察に連れていかれた。


 しばらくすると、罰金を払ってワイン博士が帰ってきた。


「はずかしながら、私がワイン博士です。」

「罰金刑で済んでよかったのじゃ。」

「それが、、、気づかれぬように後ろを見てください。」


 そこには2人の私腹を肥やした私服警官と思われるものたちがいた。


「のじゃ?あれはなんじゃ?」

「おそらくは、まだ見ぬワインを夢見て船までついてきて、没収するつもりかと思われるのです。」

「斬るか?」

「いえ、穏便に素早く船に乗り込んで港をでるべきです。」

「まかせるのじゃ。深く静かに出港準備なのじゃ!」



 船を出港させると、海上保安隊の巡視船が追いかけてきた。

「ごぶー!!」(後方船影3。所属エジプ州海上保安隊。臨検信号旗確認。)

「こいつはやべぇぜ。」

「ワイン程度ならくれてやってもいいのじゃ。」


「それが、、、」

「ん?何かあるのか?」

「そうです。私がワイン博士です。私が勝手に作った隠しワインセラーには国家転覆を疑われるレベルでワインを保持してまして、恐らく捕まれば全員が長年拘留されることになりますです。」


「そいつはやべぇぜ!」

「オールも出すのじゃ。全員で漕ぐのじゃ!」


 流石は快速が売りのキャラベル船で東に逃げると、東の海から怪しげな船団が近づいてきたのです。


「ごぶー!!」(前方11時!船影多数!所属ヴェネツィア海軍)


「ははは、私こそが都市国家「ヴェネツィア」の非公認マフィア「ヴェネツィア一家」が傘下「パレルモ一家」から依頼された刺客、ひとよんで「シチリアの猛る火山」!」

「いつものくだりをしている場合じゃないぜ!立派だけど。」

「立派なのじゃけど、進路転身なのじゃ!船首を北になのじゃ!!」


「ごぶ!!」(左舷8時方向!船影多数!所属フラン王国マルセイユ艦隊)


「私こそがフラン王国から依頼されて「俺様一味」を捕縛しに来た貴族の息子だ。」

「また新キャラが増えたのじゃ。」

「ぴー」

「む!?ぴーちゃん知っているのか?」

「ぴー」

「ぴーちゃんは「モナコのボートレースに出ていた(8話参照)ピーちゃんに並々ならぬ執着を見せてる気持ちの悪い男だ」と言っている」

「私のぴーちゃんはそんなこと言わない!!元軍人よ今日こそは潔くぴーちゃんを渡すのだ。」


「のじゃ!物語始まって依頼のピンチなのじゃ!」

「こういう時はだいたい助けが来るもんだぜ「おほほ」とか言いながら」


 シーン


「役に立たない女王なのじゃ。」

「こうなったらアレか?」

「アレしかないのじゃ。」


「むむっ!アレをされたら大変だ。先に撃て!!アレより先に撃ーて!!噴火するエトナ山のように!!!」


 ヴェネツィア艦隊のキャルバリン砲が火を吹いた。


「のじゃ!本当に撃ってきたのじゃ。アレより前に!」

「アレより先に撃つとは卑怯な「シチリアの猛る火山」だ!」


(フランはそこまでする気がなかったが本当に撃つとは、まるでエトナ山だ。)

(エジプ州海上保安隊は離れるでまりまーす。火山の噴火に巻き込まれたらたまらないでーす。)


「風上にまわるのじゃ!弾幕をはるのじゃ!!」

「ごぶごぶ」アセアセ


 そして運命の時、一発の砲弾が俺様のキャラベル船の竜骨を圧し折った。


「総員退艦なのじゃ!船はもうダメなのじゃ!!」

「く、ここまでか!」


 そして、俺様達は脱出艇で避難した。

 海の上では炎上した俺様達のキャラベル船が沈もうとしていた。



「お、俺様の船が、、、」

「わ、妾たちの未来と、子供たちに届けるオヤツを乗せた船が、、、」


「貴重なヴィンテージワインの数々を乗せた船が、、、。」

「プラモデル、、、限定版、、、、。」

「ぴー」


「自分はこんな時のために貴重品をリュックに入れてたので大丈夫っす。備えあれば患いなしっす。」


 こうして俺様達は全てを失ったのだった。



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