1 始まりの町リスボン
「船も手に入ったし、未知の航海に出発なのじゃ!!」
「いや、俺様はふねの動かし方とか知らないぞ?」
「大丈夫なのじゃ。妖精さんがなんとかしてくれるのじゃ。」
「ごぶ」
「そもそもなんで急に船とか買ったんだ?」
「見たかったのじゃ。」
「ん?」
「いろんな場所に行って、いろんな人にあってみたかったのじゃ。」
「、、、」
「人を替え、場所を替え、ダラダラと長く愛されながら続けられる物語がいいのじゃ。」
「そいつは、ワクワクするような冒険のはじまりだな」
「そうなのじゃ!!」
という事で、俺達は未知の船旅に出ることになった。
大西洋に面するリスボンはポルトガ王国の首都で、海上交通の要所として栄えていた。王国が海運に力をいれており、世界中から船乗り達が集まっていた。
「ゆかいな船員を雇うのじゃ。」
「スリの孤児を捕まえて、船員にするパターンだな。」
人通りの多いところで、スリの孤児を探したが、おっさんしかいなかった。
「仕方がないからスリのおっさんでも雇うか?」
「孤児院にいってみるのじゃ。」
大層立派な教会付きの孤児院についた。
「ようこそ神の家へ。本日はどのようなご用件ですか?」
「のじゃ。スリをさがしておるのじゃ。」
「一人称が「おいら」の奴な。」
「え?」
「疾くとスリを出すのじゃ」
「男の子の恰好をしてるけど実は女の子の奴だ」
「あ、あの、子供たちが何かご迷惑をおかけしたでしょうか?」
「これから、こっちがかけるのじゃ。」
「とびっきりのやつさ」
ふたりは孤児院を追い出された。
「のじゃのじゃ!これだから人の善意で食ってるくせに、肝心な時にはまったく役に立たない唯一神教徒はダメなのじゃ。」
「俺様なら左の頬もぶつね。」
「まったくじゃ。」
「へへっ、あんた達、孤児を探してるんだって?」
赤髪のいかにも女海賊という風貌をした女海賊が話しかけてきた。
「何者じゃ?」
「あたしは名乗るほどの者ではないが、、」
「そういうのはいいから、要件を言いやがれ。」
「せっかちな奴だね。早い男はもてないよ?」
「それは俺様の誇りだ。疾風のごとく。」
「ここより南。海峡を超えた先に、それはそれは大きなスラムがあるという。そこならば、あんた達が探している、スリの孤児に出会えるかもね。」
「のじゃ。」
「だな。」
「ふふっ。礼は次に会った時にもらうわよ」
「あぁ、風が向けばな」
俺様達は交易チュートリアルにしたがって、システムが用意した商会で「ハム」と「アーモンド」を購入した。
「錨をあげろーなのじゃ!船を出すのじゃ!!」
「それは俺様のセリフだが?」
「毎回このくだりをしたら読者があきるのじゃ。新しい風なのじゃ。」
「ちょうど追い風だしな。」
「妾達の門出に祝い風なのじゃ。」
「そいつはどうかな?」
「む、あれは!?」
そこには赤い髪をした、まるで海賊のような女の率いる「海峡の向い風海賊団」がいた。
「くくく、お礼の取り立てにきたよ。命が惜しくば首を差し出しな。」
「貴様!騙したな!!」
「のじゃ!!」
「海では騙される方が馬鹿なのさ。さぁ、ハムとアーモンドを出しな。」
「ゴニョゴニョなのじゃ。。」
「ん?聞こえないよ。」
「ゴニョゴニョなのじゃよ」
「大きい声ではっきり言いな!!」
「食べたからもうないのじゃ!!!(泣)」
その後、海戦チュートリアルに勝利した。
「捕虜をとったのじゃ」
「食うか?」
「ごぶ!」
「ちょ、ちょっと待ちな、あたしなんか食ってもいいことないよ」
「のじゃ。海賊は社会の寄生虫なのじゃ。強制執行なのじゃ。」
「いや、ゆく先々で絡んでくるライバルキャラは必要だぞ。髪が赤いしちょうどいい。」
「緑の方がいいのじゃ。」
「つまり、このあたしが、世界で一番!強いって事?」
俺達は捕虜を開放することにした。
「チクタクチクタク聞こえて来るぜ。」
「夢の島までは探せないのじゃ。」
こうして俺様達は果てし無い航海に旅立つのであった。。