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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

サクッと読めるホラー:先客

作者:

朝の澄んだ空気を感じながら男は自宅の扉を開けた。カーテンを閉めた室内は薄暗い。男は電気も付けず、靴を脱いでキッチンへ向かった。手を洗い冷蔵庫から作り置きのアイスティーを取り出す。

喉が渇いていた。


グラスを取り出しアロエを入れ、近所で買ったほおずきのジャムを載せた後、取り出した柑橘系のアイスティーを注ぐ。マドラーでかき混ぜれば、甘くておいしいアイスティーの完成だ。一仕事終えた身体に甘さが染み渡る。飲み終わったグラスを洗い、今度は手鍋を取り出す。手鍋でお湯を沸かし、火を止めてから茶葉を入れる。蒸らしている間に大きめのコップを取り出し、氷を量る。100グラムぴったりの氷量になったことに満足し、蒸らし終わった茶葉の上にミルクと砂糖を入れる。再度火をつけ、沸騰しないように注視しながら男は昨夜のことを振り返った。


何かおかしかった。


わずかに感じた違和感の正体を探っていると、鍋の淵がふつふつとしてきた。火を止め、氷を入れたコップに茶こしをかざし、手鍋のミルクティーを注ぐ。氷がみるみるうちに解けていく。


そうだ。あいつが持っていたのは血液に反応するライトだった。俺は首を絞めた。なのに、あいつは俺のところへ真っ直ぐに来たから変だったんだ。


確かに男が少年の奪ったライトで辺りを照らした時、反応はあった。しかし、男が運んだ死体は出血をしていなかった。


多少どこかで怪我をしたかもしれないが、あんなに多量になるはずがない。一体あの血はどこから来たのか。


カラン、と氷が解ける音がし、男は思考を中断した。冷たいミルクティーを飲む気がしない。温かい紅茶を入れようと電気ケトルのスイッチを押そうとしたところ、コンコンと扉をノックする音が聞こえた。


こんな時間に誰だ?そもそも、扉を直接ノックするのが変だな。


玄関扉のスコープを覗こうか迷っていると、鍵が自動的にガチャリと開いた。


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