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 謎のミイラ・合同捜査本部の会議が終わり一同が退席したあと、残った正面席の三人が相談を始めた。

「署長、どうされるおつもりです?」

 手羽崎(てばさき)管理官が左隣から鳩村(はとむら)に声をかける。

「どうされる? と言われましても、今の段階では、こうしますとは申せません。あなたなら、どうしますか?」

 鳩村はスルーして左隣の庭取(にわとり)に振る。つい今し方、振られたことへの振り返しだ。^^

「…被害者かどうかも言えない五体のミイラですよ。そのミイラも消えて今は無い訳です。となりますと、いったい私達は何を対象に捜査すると言うんです、署長っ!」

 庭取は少し興奮気味に鳩村の振り返しを、受けて(しの)ぐ。両者の間に刀の鍔迫(つばぜ)り合いにも似た雰囲気が漂った。

「まあ、今日はひとまず、これまでに…」

 これは(まず)い…と思った手羽先が両者に割って入った。ハトとニワトリは相性がいいのか? は、定かではない。^^

「おいっ! どうなるんだ、この捜査?」

 署内の自動販売機の前で缶コーヒー片手に口橋(くちばし)鴫田(しぎた)に訊ねる。

「さあ…」

 鴫田は、僕に訊かれても…という顔で口橋へ返す。

「まあ、いいか…」

 何がいいのかは分からないが、口橋が悟りきったような声で呟く。こうして、この先どうなるか分からない、どうでもいいような一件を抱えたまま、麹町署の一日は終わろうとしていた。

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