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<33>

 このとき、Й3番星から来た異星人は地球は人類に任せてはおけない…と考えていた。ただ。乗り移った鳩村(はとむら)には、その心理を伝えてはいない。鳩村がうっかり、そのコトの重大さを暴露でもしようものなら、Й3番星から命じられ偵察に来た自分の使命が果たせなくなるからだった。五体のミイラが車内から発見された一件でも、どのように人類が処理するかを観察する目的で放置したのである。元々、五体のミイラは古い遺跡から空間移動させたもので、警察が事件視するような遺体ではなかった。そのことを麹町署の庭取(にわとり)副所長、手羽崎(てばさき)管理官を始め、署内の誰もが考えてはいない。それも当然と言えば当然の話だった。奥多摩山中の庵に住む祈祷師の老婆も、実はЙ3番星から偵察に来た異星人の先遣者が乗り移っていたのである。

「あの…署長はラーメンお好きでしたっけ? 今までオカメへお入りになるの、見たことがなかったもので…」

「ああ、好きですよ。ただ、署員達の手前、大っぴらにはしてなかったんですがね…」

 鳩村に乗り移った[憑依した]Й3番星から来た異星人は一瞬、ギクリ! とした。Й3番星から来た異星人はオカメのラーメンが好物だったのである。^^

「ははは…そうなんですか」

 口橋(くちばし)は軽く受け流し、鳩村に乗り移った[憑依した]Й3番星から来た異星人は、ホッ! と安息の息を漏らした。

「それはそうと、消えたミイラがどうなったか? ですが、どうも公安が絡んでるようなんですよ…」

 真実は人間の反応の観察を終えたЙ3番星から来た異星人が、元の遺跡へ空間移動させたのである。

「消えたのも・・ですか?」

「ええ、検体からウイルスが発見され、秘密裏にとある地へ埋葬されたらしいんです…」

「署長はその情報をどこから?」

「んっ! ああ、まあ立ち話もなんですから、詳しい話はそこの茶店ででも…」

 三人は道近くにあった[お多福]と書かれた喫茶店へ入っていった。^^


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