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 青梅街道に入る手前のコンビニで食料や飲料を買い入れた二人は、後顧の憂いを失くし、ユッタリした気分で先を急いだ。なんといっても一度、行った経験がモノを言う。

「そろそろ、自由乗降バスのパーキングエリアですね…」

「ああ…」

 峰谷橋を越えた地点まで来たところで、口橋(くちばし)は車を減速させた。

「ああ、アソコでしたね…」

 峰谷橋を渡った左斜め前方にのパーキングエリアが見えた。覆面パトは道路を外れ、パーキングエリアへ静かに駐車した。

「やれやれ、これからが厄介だ…」

「そう言うな…」

 口橋は鴫田(しぎた)(たしな)めた。

「はいっ! 刑事でしたよね…」

「そういうこった!」

 二人は以前のように繁茂する樹々や蔦、蔓を掻き分け、老婆の(いおり)を目指して進んでいった。土地勘は体験がモノを言う。一度ながらも実際に足を運んでいるから、所要時間も曖昧ながらも予測できた。2m間隔で名刺を破って括った目印を残しておいたのが役立ち、二人は難なく老婆の庵へと近づいていった。十五分ばかり山道を登ると、貧相な鳥居のような古木の門が前方に見えた。

「…口さん、見えましたね」

「そうだな…」

 門を潜り、二人は庵の前まで近づいた。(ほの)かな灯りが庵の中からした。

「あのう…誰か、おられますかっ!? この前、寄せて戴いた警察の者ですが…」

 口橋は以前と同じように、大きめの声を庵の前でかけた。

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