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<17>

 黙って聞いていた鴫田(しぎた)は、署長が煎餅かよ…と下目遣いで見ながら小さく(わら)った。しかし、署長が煎餅を齧れば刑法に触れる・・という条文がないのも確かなのである。^^ 鳩村(はとむら)は署内で[煎餅おじさん]と陰口を叩かれていることを全く知らない。

手羽崎(てばさき)さん、のちほど…」

「はあ…」

 鳩村(はとむら)が署長室へ消えると、三人はふたたび話を続けた。

「で、管理官、俺達はこれからどちらの本部付になるんです?」

 口橋(くちばし)は心配げに訊ねた。

「口橋さんは今まで通りでいいんですよ。君もな…。分化本部の方は新たに増員されるようです」

「そうですか…」 

 口橋と鴫田はそれを聞き、少し安堵(あんど)した。とはいえ、もう一度、老婆が籠る山中へ足を運ぶというのも気乗りがしない。

「ミイラが消えた・・というのは気になりますなあ…」

「私が影で調べさせた情報だと、どうも公安が動いた形跡を拭えないんだよ」

「公安が? 署長を通さずに、ですか?」

「ああ、だから署の沽券にもかかわるから、分化本部が設置された・・と、話はまあこうなるんです…」

「そうでしたか…」

「署長としては来年の三月までは話を荒げたくないんだろうが…」

「ミイラはどこへ消えちまったんでしょうね?」

「さあ、そこまでは私にも分かりませんが、たぶん、公安が指示した病院の霊安室じゃないかと私は思うんです」

「ミイラの取り合いですか?」

「まあ、そのような…。建物にしろ、取り合いってのは、なかなか面倒な接点です」

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