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 警察庁長官官房人事課長の肩書を持つ鳩村豆男は、疲れ果てた挙句、片足をベッドの下に垂れ、夢の中で足掻(あが)いていた。刑事部と公安部の捜査上の衝突にその原因があることは夢の中だけに当然、誰も知らない。^^ まあまあ、お二方・・とはいかない公安警察Vs.刑事警察という組織上の問題があった。加えて、次期公安部長の呼び声が高かったこともある。^^

 話は数年前に(さかのぼ)る。この頃、鳩村は制服組幹部の道を目指し、現場捜査の長として指揮を執っていた。掃き溜めに鶴・・とはよく言うが、掃溜めに鳩の鳩村もその一人で、一年後には現場を去り、本庁へ返り咲くことは、ほぼ確実視されていた。鳩村に限らず、過去の人事異動はそうした方向で発令されていたのである。制服組の若いトップの署長就任は年功を重ねた現場のベテラン刑事達にとっては痛し痒しで、ある意味、邪魔な存在だった。^^

「奴さん、春には、はい、さよならですか…」

「まあ、そう言うな、鴫田(しぎた)…」

 捜査を任された刑事の口橋(くちばし)蚯蚓(みみず)を突っつくように鴫田を(なだ)めた。^^

「班長はそう言いますがねっ!」

 鴫田が鳴くように声高に返す。

「お前が思うのも分からんではないが、そうなっとるんだから仕方ねぇ~だろうが…」

 二人が後方の片隅で話し合う小声が正面最前列で刑事達に対峙して座るトップ三人に聞こえる訳がない。トップ三人とは、中央に座る鳩村[署長]、その左に手羽崎(てばさき)[管理官]、右に庭取(にわとり)[副署長]である。^^

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