凛子可愛いマジで好き
俺はさ、いつも男のダチとつるんでたけど、お前が来てからは違った。
お前とずっと一緒だった。
一緒にいるだけで楽しかったんだ。
よくやったよな。
夏の暑い日なのに、公園でずっとダラダラ喋ったりさ。
特に用もないのにショッピングモールにぶらついたりとか。
夏には海に行ってさ。
二人ではしゃぎまくったり、ビーチでパラソルの下、飽きもせずずっと他愛のない世間話を話していたよな。
俺も最初は引っ張られて、色んな事に付き合わされて。
強引にさ。色んな所教えされられたりとか、お前がたまに暴走してさ。
ゲーセンで格ゲーの筐体蹴った時、不良に追いかけられたりとかして、運良く勝てたから良いけど。
それ以外にも危険な目に結構あったりしてさ。
でも、お前と一緒だったから、本当に楽しかった。
警察きた時はもうどうなるかとおもったけど。
まぁ、その時も急いで逃げたりして。
罪悪感タップリのリアルドロケイしたよな。
はっきり言うぞ?お前はワガママだ。
今となっては惹かれた理由が分からないくらい。
分かりきっていても、それが正しいのか迷ってしまうくらい。
それくらいにお前はワガママだ。
顔に惹かれたんじゃねぇかって、そんな事を思う日もあったけど、やっぱ違うよな。
まぁ、そりゃ最初は顔に引かれてたけど。
今はさ、お前の根っこの部分。
無意識の中にある優しさとか、俺を引っ張てくその無駄なタフさとか。
でも決して強くはない、意外な情弱さとか。
寝た時に見せるあのあどけない寝顔とか、見つめられるとマジで敵わない所とか。
そういう部分に、俺はよ………とまぁこの話は置いといて。
いつかお前は言ったよな。
「もしも友達と愛してる人が付き合ったらどうする?」
あの時は何も分からなかった。
考えもしなかった。
だから空返事しといたけど、でも、ある時見てしまったんだ。
いつもの時間に溜まり場所のあの公園に行くとお前がさ。
スマホの画面見て泣いてんだぜ?
泣いてる姿は初めて会った時に見たことあるけどさ。
でも、そのスマホの画面にはある男がいて。
パッとしないけど優しそうで、エロ本学校に隠してそうだけど芯がありそうなそんな…………そんな男がいて。
そんでお前が泣いてんだ。
もうどうにかなりそうだった。
むしゃくしゃしたり、悲しくなったり、モヤモヤしたり…………。
本当に色んな感情がこみあがったんだよ。
そんで、感情が抑えきれなくなって、気が付いたら泣いてたんだ。
もうどうしようもなくてさ。
爪を手の平に食い込ませながら、泣いてたんだ。
その男とお前に何の因果があるかは知らないけど、お前がその男を思い出して泣いてる事は理解できた。
そんとき思ったよ。
そんなのは嫌だって。
つまりこういう事なんだろ?
お前の香りを思い出してる馬鹿がいて、そいつを思い出してお前がまた泣いてるってそういう事なんだろ?
そんなお前は見たくなかったし、何より誰よりお前がその事で傷付いていることなんて、何より痛ましかった。
それを思うとさ、さっき言ったみたいに、むしゃくしゃしたり、悲しくなったり、モヤモヤした感情に包まれたんだ。
気が付いてたら、立ち尽くしたまま泣いてたよ。
そんときに気付いたんだ。
お前の事が好きだって。
他の誰かじゃダメなんだ。
いつまでも馬鹿やってられそうな、お前の傍が。
じいちゃんが死んだ時やばあちゃんが倒れた時、傍にいてくれたお前じゃなきゃ嫌なんだ。
そしてもうお前が人知れず、一人で涙流してるなんてのは嫌なんだ。
俺はさ、ヘタレでかっこつかなくて、ケンカなんて自分からはふっかけられないけどお前の事、誰よりも好きなんだって今なら言える。
なぁ、聞こえてるか?
今から大切な事言うぞ。
お前が、好きだ。
誰よりも好きだッ。
お前の事好きだって言ったどっかの馬の骨なんかよりもずっと、ずっとッずっと!
俺はお前の隣っていう特等席に留まりたいんだよっ!
ここ陣取ってさ、お前を笑わせるんだ今日からは、いや今日こそは!
俺と、付き合ってくれっ!