表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

コロナ不満箱を歌舞伎町に設置しよう!

作者: さきら天悟

「小地知事のバカヤロー」

ペッと唾を吐いた。


「こっちは、生活が懸かってるんだ!」


「もう金ねぇ~」


「俺たちをイジメるな~」


男たちは言葉を吐き出した。

そして、最後にペッと唾を吐いた。

全員が皆、勢いよく。



彼らは、いわゆる『夜の街』で働く者だった。

ホスト、バーテンダー、店の関係者など。

新型コロナウイルス感染がいまだ収まっていないため、

都知事やメディアからやり玉に上げられていた。


でも、彼らの顔をスッキリしたかのようだった。

何もかも吐き出して。




「少しは不満を抑えられたかな」

太田は言った。

時期総理候補にも名を連ねる若手有望議員だ。


そう、これは政府が都に提案し、

新宿歌舞伎町に設置した『コロナ不満箱』だった。


「まあ、最初は面白がってやってくれるだろう」

提案を進言した自称名探偵の藤崎誠は応えた。

藤崎と太田は官僚時代の同期で親友だ。


「一石二鳥と言えるかな」

太田は藤崎に微笑む。


不満を吐き出す以外にも、この箱には目的があった。

それは市中、特に歌舞伎町でのコロナ感染率の調査だった。

それまでは下水道の糞尿により、市中の感染率を計測しようとしていた。


そんなことをするならと、藤崎が太田に呟いたことがキッカケになっていた。

もっとも警戒されている人たちの感染率を調査すればいいと。

しかも、彼らの不満を少しでも和らげることができると。



今日も誰かが叫ぶ。


「コロナなんかに負けね~」


「ぜったいNO1になってやる」


そして、彼らはペッと唾を吐いく。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ