表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/42

この世界にも悪役?2

「ジュエル・プリティ・チェーンジ!」


 掛け声と共にどこからともなく音と光がアリアを覆った。

光の中でアリアはフリルのついたピンクのワンピースに変身。さらにハーフアップだったヘアスタイルは封印が解けたように髪がほどかれ、ツインテールヘアに。金色のメッシュの入ったピンク色に変化する。

 靴が出現した後、胸元と腰、髪に大きなリボンが現れ、ピンク色の宝石がその中央を飾った。

 

最後に、アリアが手を挙げるとハートやリボン、羽があしらわれた可愛らしい魔法のステッキが現れたのだった。


「キラキラ輝くあなたの笑顔、魔法と可愛さでお守りします!」


 極めつけは何処からきたのかハートが背景のようにアリアの背後を通過する。


「笑顔の天使、プリティピンク!」


 ーーあざといポーズをして出来上がり!アリアは渾身の可愛さを出した。


(決まった!)


渾身のぶりっ子を披露し、可愛く変身をしてみせたことに満足するアリア。しかしそんなアリアに相反して青年は怪訝な顔でこちらを見ている。


「自分で可愛いとか言っちゃう? いや可愛いんだけど引くわー。てかさ、勝手に曲流れてきたりキラキラした背景が出てくるのおかしくない? 魔法少女補正こわいねー」


 青年は思ったことをズバズバと言い放った。ほぼ正論ではあるが。

 それにはアリアも黙ってはいられず、顔を真っ赤にして言い返した。


「余計なお世話よ!! 自分のことは引かれたら怒るくせに!」

「では、準備が整ったところで……」

「ちょっと! 聞いてるの!?」


 プンプンと怒るアリアをよそに青年はマイペースに進める。


「……俺はジリアン。ジリーってよんでね。君のプリンスの予定だよ、よろしくねっ」


 またウインクしてポーズを決めている。この男的に決めポーズのつもりらしい。やはり意味不明だ。


「ふざけないで」

「えー悲しいなぁ」


 ジリーは落胆したのも束の間、急に手をかざし始めた。……同時にアリアが吹き飛ぶ。


「きゃあ!」


 地面がみるみるアリアから離れていく。一瞬の出来事でアリアは反応もできなかった。


「ほらほらどうしたの? 宝石を壊さないといけないんじゃないの?」


 下からジリーの楽しそうな声が聞こえる。

 急な攻撃により宙を舞ったらしい。身動きが取れなくなったアリアは、落下して地面に叩きつけられてしまった。


 再びジリーが手をかざすと、またアリア空中に吹き飛ばされる。何度かこの状況を繰り返され、アリアは力尽き地面に倒れ込んでしまった。

 遠くでニヤニヤと笑っているジリーが見える。


「どうしたの? 君の力はその程度? 暗闇に飲まれちゃうよ?」


 宝石の前にはジリーがいる。なんとかして宝石を壊すしかないが、現状では宝石に近づくこともできない。


(このままではやられてしまう!何か策を考えないと!)


しかし考えるより行動が先に出やすいアリアである。取り急ぎ攻撃を加えた。


「ピンク、トルネード!」


 竜巻が発生し、ジリーに襲いかかる。だがジリーは軽々しくそれを払ってしまった。


(なんて強さなの?!)


 次々と応戦する余地を与えないスパンで攻撃を受け、心が折れそうになった。


(私このまま負けちゃうの?)


 少し弱気になってしまったアリア。ジリーによって再び吹き飛ばされ、再び宙を舞う。思わず恐怖でギュッと目を瞑ってしまった。


 その直後、脳裏に魔法少女の他のメンバーの顔がよぎる。


(皆んな、大丈夫かなぁ。また会いたいなぁ。帰りたいなぁ……)


 ーー"帰りたい"その言葉でハッと我に帰った。


(そうだ、私には帰って一緒に戦うべき人達がいる。ここで負けてられない!)


 アリアは恐怖に負けじと目を見開いた。そして決心が固まったと同時に、ある名案が浮かんだ。


 次のジリーの攻撃を受け、宙を舞った瞬間、アリアは再び風の魔法を繰り出した。するとアリアの体はジリーの頭上を飛び越え、噴水の上へ。そのまま噴水に向かって落ちていく。

 噴水へ真っ直ぐ落下するアリアに気づいたジリーが慌てて振り返ったが、時既に遅し。

アリアはここぞとばかりにステッキを振り上げた。


「いっけぇーーーー!!」


 振り上げたステッキは宝石に見事命中。

ーー宝石は音を立てて崩れていった。


 アリアが地面に降り立つと、ジリーはキョトンとした表情でこちらを見ていた。

 だがその表情もすぐに、ニヤニヤとした顔に変わりジリーは嬉しそうに近づいて来た。


「さすがアリアちゃん! 僕が見込んだだけのことはあるよ!」


 負けたはずなのに、どこか嬉しそうなジリー。


「今回はやられちゃったけど、今度は負けないぞ〜。待っててねっ、僕のお姫様っ!」


 そう言うと、チラッと何かを見た後、ジリーはパチンと指を鳴らして颯爽と赤色の光の中に消えて行った。



 ジリーが去ると、赤黒い雲が消え青空が戻り、結界も薄れていった。

 暗闇の恐怖が解消され、人々の安堵の声が聞こえてきた。

 結界が張られていた噴水付近には人が入れるようになり、こちらに向かう人々の姿が見えた。そこに我先にと走り寄るルークの姿。


「ルーク!」


 ルークは息を切らしながら話しかけてきた。


「急に宿から姿を消されて驚きました……騒ぎを聞いてこちらに来ると、貴方が戦っているのが見えて……」

「何も言わずに出てきてしまって、ごめんなさい。騒ぎがあると気になって……」

「ご無事で安心しました。それにしてもあなたにあのような力があるとは、貴方は一体何者なのですか?」


 ルークに魔法少女のことを伝えていなかったアリア。しかし、結界の外から見られていたのか、魔法少女のことを知ってしまったようだ。見られたからには仕方ない。腹を括り、自分が魔法少女であること、そしておそらく異世界であろう元の世界での出来事を正直に打ち明けることにした。


 信じてもらえないかと思ったが、意外にもルークはすんなりと受け入れてくれたようだ。なぜ受け入れたのか、その真相は夜分かることになる。

次回、旅は突然に? お楽しみに!


(やっと魔法少女になりました。)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ