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動くお守り2

「俺のこと忘れてんじゃねーぞ!」

「……へ?!」


 アリアは驚き、辺りを慌てて見渡したが、ルーク以外人は見当たらない。どう考えてもルークの話し方ではないため不思議である。


 ーーそしてまたどこからともなく声が聞こえる。


「間一髪だったな」


 アリアは再びキョロキョロと周りを見るがやはり声の主は見当たらない。

 すると、二人の前に先ほどの青い光の塊が現れた。


「ここだよ! ブレスレットを取り返してやったりしたんだ、お礼の一つくらい言ってくれてもいいんだぜ」


 そう言うと、青い光の塊はアリアの目の前でグネグネと形を変形させる。……元の宝石に戻ると思いきや、なにやら光の形が動物の形に変わっているような……。

 アリアが驚きながら光を見ていると、光は灰色の背中に白い腹、ブルーサファイアのような青い瞳が輝くモフモフとしたネズミのような形へ変わっていく。そしてそのネズミのような生物は変身し終えると喋り出した。


「俺はブルーサファイアの宝石から生まれた妖精ブルーだ! 命の恩人だから丁重に扱えよ!」

「ブ、ブルーサファイアの妖精……?」


 アリアは驚いた。先ほどまで宝石だった物が動き出した上に喋ったのだから。


「そうだ、妖精だ。以後お見知りおきをだぜ!」


 そういうとブルーサファイアの妖精ブルーはその場でくるくると回り出した。

 アリアは得体の知れない生物に警戒……すると思いきや、可愛らしいネズミのような姿に興味深々。怖い思いをしたのも忘れ、アリアは近くでまじまじと見始めた。


「可愛いー!」


 恐るべしアリアの順応性。その上、妖精ブルーも可愛いと言われてまんざらでもなさそうだ。


「お、俺の魅力に気付くとはなかなか良い目をしている」

「でも、ブルーサファイアって私の世界ではペットのハムスターの種類にいたわ。まるでハムスターね! そうだハムちゃんって呼んでいい?」


 アリアは元の世界でハムスターを飼っていたことがあるのを思い出した。


「この馬鹿野郎、ペットなどと同列にしてもらっては困る! そして俺のことはブルー様と呼っ……」

「えー可愛いーー。 触っていいー?」


 ペット呼びされてプンプンと怒る妖精ブルーをよそに、もはや聞いていないアリア。


「聞いてるのか! 汚い手で触るんじゃねぇ……ぴゃーーーー!!」


 アリアはモフモフと触り始めた。されるがままの妖精ブルー。


 ーーそこに、見かねたのかルークが止めに入った。


「あなた達、そこまでです。こんにちはブルーサファイアの精よ。まさかこんな形で魔法が現れるなんて思っておりませんでした」

「おう、ルークか! お前の願う通り、仕事はしたぞ。」

「ありがとうございます」


 ルークとブルーサファイアの妖精が顔見知りのように話をしている。初対面のはずでは……?と首を傾げるアリアだったが、謎はすぐ解明された。


「あっそうか、あの宝石って元々ルークのだもんね」


 変身したブルーサファイアの宝石は、元々ルークとアリアが初めて出会った際にお守りとして渡された宝石だった。宝石の元の持ち主であるルークがこの宝石の能力を知っているのは当然のことかもしれない。

 アリアの一言で思い出したように、妖精ブルーはアリアの手を離れると、改まってお辞儀をし、自己紹介をし始めた。


「我が名はブルーサファイア。身に付けし者に加護を与えるのが役割にございます。軽い防御や現在地の報告、諜報などを行い、今回のように姿を変えて危機の回避も多少行います。今回は姿を現した方が良いと咄嗟に判断したため、この姿での出現となりました」


 先程までは考えられない丁寧な口調でつらつらと話し始めた。


(この宝石にこんな能力があったとは……)

 ブルーの説明を聞き、感動するアリア。その一方でブルーの役割をしっていたであろうルークは先立ってお礼を言う。


「先ほど、アリアの助けを呼ぶ声が聞こえた気がしたのです。そして場所も分かりました。あなたの力のおかげです。ありがとうございます」


 ルークは丁寧にお辞儀すると、アリアも慌ててそれに倣うようにお礼を言った。


「え、じゃああなたがルークを呼んでくれたのね、ありがとう! 助かったわ!」


 妖精はその姿を見て満足したらしく、コロッと態度を変えた。


「てなわけでよろしくぅ!」


 元の軽そうな雰囲気へ。こちらが本性らしい。


「いつもは宝石の姿でアリアと一緒にいるけど、なんかあったら呼んでくれよな!」


 そう言うとブルーは宝石に早変わり。アリアは大事そうにネックレスを胸元に戻した。

次回、見ちゃった…… お楽しみに!

(可愛い動物を出したかったんですごめんなさい)

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