丸木位里・俊ー《原爆の図》をよむ
広島市現代美術館
丸木位里・俊
《原爆の図》をよむ
展覧会評
丸木俊(嫁)丸木位里(夫)
の原爆の図がメインの展示
丸木俊は、モスクワに渡るまで
肉体の記号性を写さない肉体と
顔のみ、記号性を冠にする絵が多い
西アフリカの造形物や絵画には
多くある手法だが
北海道の地で、これを描いていたのは不思議だ
丸木位里は、無精な作家だったのだろう
一点を置いて、それ以外は戦火にまみれ
まるで、画面に向かう時間が無い
というような感じだ
夫婦になり、原爆の図に突入する
位里は、親戚の表具屋を、つたい
俊にキャンパスを与えた
原爆の図は、掛け軸になるよう
巻物になる、屏風仕立て
構想には全国行脚展示があったみたいだが
一番はじめは、アンデパンダン展にて
お披露目した歴史も面白い
総じて、記号性の無い肉体の羅列を
デザインしていく
それは、戦争という肉体性のど真ん中の
事象を批評しているに他ならない
全国行脚展示のあと
1952年以降、ヨーロッパにも
招かれ展示会を開いている
これは、被団協との関わりかもしれない
原爆の図の最大サイズは
木の幹と人間が交錯するもの
人間の記号性の無さと魂の行方と
木の幹が、戦争の残酷さを意味で
物語っていた