第1話
おめでとうございます!
青葉 高人 様
この度はスノー株式会社が送る最新RPGにご応募下さり誠にありがとうございます!
公平な抽選の結果『Another Would Online』にご招待いたします。
俺、青葉高人は現在大学3年生の春を迎え今期の履修表を学校に提出したところでメールがあり心臓が止まるかと思った。
『Another Would Online』通称アナザー、数々のMMORPGがあるなか今だかつてない世界を謳うこのゲームに友達や弟に誘われたこともありダメもとで応募したところ見事当選してしまったらしい。
弟や友人たちはベータテストに参加したらしく特典として製品版が貰えるらしいのでこれで一緒にプレーできるなと思いながらもまさか応募者100万人の内1万人しか当選できない内の一人になれたことに我ながら幸運だと改めて思う。
小学生の頃トレーディングカードゲームが流行し皆血眼になりながらレアカードを求めるなか何気無しに買ったパックに皆がほしくてやまないカードが入っていたり、テストの前日に張った山が見事的中したり、たまたま拾った野良犬が金持ちの犬で結構な額のお礼をもらったり、悪友に連れていかれたパチンコや競馬などのギャンブルも適当に買った物が大穴だったりなど、昔からちょくちょく幸運を発揮してきたが今回も発動したらしい。
「まぁ当たったんだしやってみるか」
弟や友人と比べ昔からはまりやすく飽きっぽい性格の俺なのだが「今回は絶対はまる!」「後悔はさせない」「黙ってやれ」と周りから言われたので結構期待していたりする。
幸い1、2年の頃にあらかた単位は取得し、所属したゼミの先生にも気に入られたので先生と月一で呑みにいけば卒業は安泰だ。
「とりあえず、1週間位家に籠れる買い物はしとくか」
弟や友人に当選したことを伝え一人暮らしのアパートの近くのスーパーに向かうのだった。
温かい目でおねしゃす