深夜の蚊との戦い
かゆい、
足のふくらはぎの辺りがすごく。
土曜から日が明けて日曜の午前2時、嫌な感じで目が覚めた。二人暮らしの二段ベットの上の私はとてもイライラしていた。普通より少し大きく膨らんだ肌を見てこの刺され方は普通の蚊ではなく、茶色っぽいやつだと察した。
研修で仕方なく地方で二人部屋の二段ベットに住んでいるが、下の奴はどこかに遊びにいってしまって明日まで帰らない。この二階建てのアパートでゴロゴロしていたわけであるが、せっかく寝付いたのに変な虫のせいで起こされてしまった。
その時はぷーんと、いう音が耳に響いた。
やつ、である。とりあえず、寝た状態から電気をつけた。
目の前をうろちょろしている。
茶色の奴は動きは早くない。私の早さをもってすればこれくらい朝飯前である。そいつを掴もうと素早く握り拳を作った。その中には、じたばたする茶色のがいた。
よしと思い、さらに強く掴み、ティッシュをとるとくるんでベット内に放置した。明日捨てればいい。そう思ってまた寝た。
しかしである。また、ぷーんという音がした。あれ?とは思ったが、もう一匹いるのだと思って電気を再びつけた。そして、光がつくと白い天井にたかっているのである。それにめがけて張り手をした。バーンと音がしたと思うとヒラヒラと落ちてきて、服に落ちた。またティッシュにくるみ寝た。
するとまたぷーんと音がした。電気をつけて、ふと壁を見てみた。すると白い壁に7、8匹たかっているのである。私はゾッとしたと同時に窓に向かった。網戸かと思いきや開いている。
そういえば、下のやつ喫煙者だった。完全に閉め忘れてやがる。それをカッと閉めると私の戦いの幕がきっておとされた。
天井、ドア、壁とガンガン叩きまくり次々に退治した。しかし、あいつらも学習するらしい。一回電気消すと活動しはじめて、つけたと思うと一部を残して消えて行く。そんな戦いを夜な夜な繰り返した。
そして、数時間後やっと眠りに落ちた。
しかし、今度はどんどん叩く音がする。今度はどんな睡眠妨害だ。
しかし、虫でもなんでもなくドアからだった。
「永田さん、どんどんうるさい!」
気がついたら私は叩く側から叩かれる側になっていた。
当然、私は平謝りする以外の選択肢はなかった。