405号室 続き3
「そのナリで。」
どのなりだよ......。確かにここ最近は顔が怖いとか耳にすることがあるが、意識なんてしたことがない。
彼女は、まぁまぁというような顔で、四つ足の椅子に手招きをした。
......。
なんだこの雰囲気は。彼女は、何もしゃべらず薄く透き通った青い瞳をいたるところへ忙しなく動かしている。
先にしびれを切らしたのは彼女のほうだった。
「えーっと、離島 時雨さん(はなれじま しぐれ)さんですよね。さっきはヤンキーとか言ってしまってすみません。」
彼女は急にしおらしくベットの上で深々と頭を下げた。
「離島です。」
「......?」
小学生は首をかしげる。
「苗字ですよ、僕の。」
「いいんですよ、苗字なんて。名前さえわかれば人間なんて区別できるんですから!」
彼女は本当にわかりやすい人だ。機嫌が悪くなったかと思うと、何もなかったよに上へ上へと口角を上げる。
「確かに、名前を覚えたほうが楽ですが。でも、どうして僕の名前を知っているんですか?」
「だって~」
彼女は、僕の胸元を白く細い指で指した。うかつだった......。そこには、だれが見てもわかるような名札がぶらさがっていた。
「そ、そのおかげですかね。」
彼女は笑いを我慢するかのように言ったが、顔は完全に笑っていた。
感想など残してくださると助かります
今回は、いつもより内容が少なめでした。すみません