表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
クラス召喚に巻き込まれた英雄  作者: 神谷 レン
英雄の帰還
6/10

4話 再会

俺は陛下たちとの密会を終えて、自分の家の前にいる。エリスと顔を合わせるのも久しぶりだけど、何よりあいつらに会うのが嫌だ。エリスにだけに会って逃げよう。それだったら大丈夫だ。そう思って入ろうとしたところ、門番に止められた。さっきから家の前をウロウロしていたから、止められても当然だろう。

しかも服装は、軍服ではなくローブに替えてある。


「そこのお前、さっきから何をしている。ここはどこかわかっているのか!」


なんかこの門番、高圧的だな。俺がいない時に雇われたのかな?こんな教えをした覚えないしな。

なんかムカついてきたから、無視をして入ろうとしたら、肩を掴まれて戻された。


「無視をして勝手に入ろうとするな!」


流石にこれはダメでしょう。騒ぎにしたくないから、穏便に入ろうとしたのに仕方がない。俺の身分を明かそうと決めた時、後ろから声が聞こえてきた。


「なにを騒いでいるのですか?コラム警備長」


後ろから来たのは、エリスだった。

コラムていう門番は、エリスに対して臣下の礼をする。敬意を払っている人にはしっかりと出来るのかなぁ?領民にもこの対応なら文句がないのだが…


「申し訳ございません。エリス様」


「構いません。説明をお願いしても。」


「は。この男が門の前でウロウロしていましたので、不審に思ったので声を掛けました。しかしこの男はそれを無視をして入っていこうとしたので、止めていました。」


「わかりました。貴方は仕事に戻ってください。

私がお話をお聞きします。いいですね?」


「了解致しました。」

そう言って、彼は仕事に戻っていった。


「私の部下が失礼致しました。中でお話をお聞きしますので、付いて来ていただきたいのですが…」


「わかりました。」


短く返事をして、後ろを付いていく。

久しぶりの再会なのだ、簡単にバラしても面白くない。このままイタズラを続けることにした。

そして案内されたのが、応接室の中でも最高クラスの部屋だった。内部は昔のままで、俺がいた時と何も変わっておらず嬉しく思った。


「申し訳ありません。お待たせしました。」


そう言って入って来たエリスは、先程までの軍服ではなく綺麗なドレスに着替えていた。


「では早速お話をお聞きしたいのですが、その前に質問をしてよろしいでしょうか?」


「ええ、大丈夫ですよ。」

なんだろうか?早速バレたとかはないよな…


「貴方はどうやって、公爵領に来ましたか?ここは許可された人しか入れないようになっています。そしてその結界を作ったのは、英雄であるお義兄様です。貴方はどうして入れたのでしょうか?」


ヤバイそれを忘れていた。どうやって誤魔化そうと考えていたら、応接室の扉がノックされた。

入って来たのは、執事のセバスだった。


「エリス様、お話中失礼致します。早急に報告しなければならないことがございます。」


「どうしました?」


エリスが報告を聞こうとした時、シャルとマリーさんが入って来た。


「エリス、久しぶりね。」


「え…、お義姉様?なんでここに」

エリスが驚いた顔で問いかけている。シャルはエリスに近づき抱きしめている。


「心配かけて、ごめんね。もう大丈夫だがら。」

それを聞くと、エリスが泣き出してしまった。シャルはそれを見ながら、落ち着かせようと背中を撫ぜている。マリーさんとセバスは、それを見て涙ぐんでいる。なんか俺、空気になっている。


それから10分後、

落ち着きを取り戻したエリスがシャルに聞く。


「それでお義姉様、どうやってここに?国家反逆罪で捕まっていると聞いたのですが…」


「もういいかな?貴方も充分楽しめたでしょう。」

シャルがこっちを向いて聞いてくる。


「そうだな。可愛い義妹の泣き顔も見れたから良しとしよう。」


俺はそう言いながら、服装を元に戻す。そして可愛い義妹に顔を見せる。


「ただいま、エリス。」


「え… お義兄様… お義兄様!」

泣きながら抱きついてくる。なんかさっき見た光景だ。シャルはこっちを見ながら微笑んでいる。


「エリス。今までありがとう。頑張ったな。」


「ひっぐ…うん。」

ずっとこうしていたいが時間がない。居なかったことを話したいが、仕事を終わらせよう。俺はエリスから離れる。


「クロスフィールド公爵家当主代行、エリス=クロスフィールド。俺がいない間、守ってくれて感謝する。今より俺が復帰する。異論はないな。」


「はい。代行権限を返上し、閣下の補佐に戻ります。」


「わかった。エリス、幹部たちを集めてくれ。王命に従い、この国を救う。」


「わかりました。すぐに集めます。」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ