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クラス召喚に巻き込まれた英雄  作者: 神谷 レン
英雄の帰還
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3話 アースティア王国内乱の中、暗躍する英雄

半年前、アースティア王国の隣国であるガリル帝国より侵略を受けた。ガリル帝国はお義兄様が魔王討伐の為に同盟を結んだ国であり、お義兄様がいなくなっても友好な関係が続いていた。

だがガリル帝国は、一切の通告も無しに侵略を開始をした。帝国に接していた領地の貴族たちは亡くなり、女子供は慰めものになったり、奴隷にされたりした。それに対し王国軍を派遣をすると帝国軍は、すぐさま撤退を始めた。

こうした帝国の謎の行動に対して、王国に所属する貴族たちは議論することとなった。


私も公爵家当主代行として会議に出席するように、王命が下った。

その会議では、お義兄様が王国を帝国に売ったとか、自分たちの領地に攻められたらどう責任を取るのか等、クロスフィールド公爵家を責める声が多かった。実際のところ、自分たちは動けないので、何も言えなかった。その後も会議が続き、答えが出ないまま後日また議論することになった。


会議が終わり家に帰ろうとした時、陛下から呼び出された。普段からは表立って接触してこないのに、今回はどうしたのだろうか?

私は急いで謁見の間に行ったが陛下はいなく、王族専用の部屋に行った。

そこで待っていたのは、陛下や皇太子殿下、王妃様が勢揃いしていた。


私は慌てて臣下の礼をする。


「陛下からのお呼び出しにより、クロスフィールド公爵家当主代行 エリス=クロスフィールド、参りました。」


「急な呼び出しに応じてくれて、ありがたく思う。エリス嬢」


「いえ。もったいないお言葉です。」


「そなたを呼んだのは、幼い子供たちを保護して欲しいからだ。」

そう陛下が言う。何かあったのだろうか?


「殿下たちの保護ですか…それは何故でしょうか?」


「先程、第1王女シャルル、第2王女アイリスが捕らえられたからだ。」


「え…、嘘ですよね…、お義姉様たちが捕まったなんて…」

陛下の前だがお義姉様が捕まったことを聞き、普段の呼び方に戻っている。それに対して、陛下たちは気にしていない。


「本当のことだ。シャルは国家反逆罪で、アイリスは勇者召喚する為の人質だ。」


「お義兄様が帰られて、勇者召喚は禁忌とされたはずです。陛下たち、王族が破るのですか!」


「そうだ。娘の命を助ける為に破るそれしかないのだ。だからエリス嬢は動くな。我からはそれだけだ。」

陛下はそう言うと覚悟を決めた目でこちらを見てくる。この後、どうなるのかをわかっている。


「御意に。殿下たちの保護のみ行います。」


「よろしく頼む。」


私は陛下の返答を聞き、退出した。


……………………………………………………………

レン視点


エリスが王族専用の部屋から退出したのを確認した。

2年前に別れた義妹が成長して嬉しく思う。


「エリス嬢がこの子たちを守ってくれる。それだけで大丈夫だ。そしてその内、レンが戻って来る。あやつが帰って来た時の為に、シャルとアイリスを助けるぞ」

陛下が俺ことを信じてくれていることが嬉しい。

だから俺は王国を守るために戦える。

俺は隠蔽を解き、陛下たちに声をかける。


「義妹の成長を見れて、自分も嬉しく思います。」


「「え…」」

陛下たちがこっちを見て、固まっている。

なんか見ていて、楽しいなぁ…


「そういえば、シャルも同じ反応していたなぁ。」

シャルの名前を出すことで、みんなが反応していた。


「そなた、シャルと会ったのか?」


「ええ。会って保護もしています。もちろんマリーさんも。現在の状況については、シャルと女神イシス様より聞いています。もちろん、宰相やクソ貴族にバレないように細工済みです。帝国についても対応済みですので、安心して下さい。」


「アイリスはどうなったのだ?」


「そこが不思議なことに居場所が掴めないのです。強力な結界の中にいるのでしょう。俺にも掴めないとなると厄介なことになると思います。」


「そうか…」

それを聞いて、陛下が落ち込む。

やっぱり戻って来て正解だ。だがら覚悟を決めよう。


「陛下。これから俺は民が望んでいる行動をしなければなりません。この意味はわかっていますね。」


「わかっている。娘の命を優先にした我は、王として失格だ。言い訳はしない。だから我は、そなたにお願いするしかない。《英雄》神谷 蓮 殿、我が国を救って欲しい。」


陛下がそう言って頭を下げる。だから訂正だけしよう。俺は王国貴族としての義務を果たすだけだと。

黒のローブを軍服に替え、腰には聖剣を携え、覇王の風格を纏い、臣下の礼をする。


「クロスフィールド公爵家当主、レン=クロスフィールド。王国を守る為に王命つかまつります。我が公爵家にお任せ下さい。」


そう言うと、陛下が驚いた顔で問いかけてくる。


「本当に良いのか?」


「俺はこの国の貴族ですから。準備がありますので、これにて失礼致します。」


そう言って、俺は公爵家に向かった。

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