表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
白縫姫伝説  作者: 渡辺備前守恵
1/7

序章

初めての投稿となります。

時は戦国の世、佐世保城主 遠藤但馬守様には一人の美しい姫様がおりました。その名は「白縫姫」と言い、その美しい可憐な姿は花の如くとうたわれ城下でも愛される姫君です。

赤崎城主である赤崎伊予守殿へのお輿入れもすでに決まり、嫁ぐ日も間近となったある日の事…





遠藤家にとっては主君筋にあたる飯盛城主 松浦丹後守親が烏帽子岳での狩りの帰りに佐世保城へと立寄ります。


丹後守親は相浦松浦氏の当主であり、肥前国の覇者平戸松浦氏 松浦肥前守隆信の実子です。

流石の遠藤但馬守も無下には出来かね、祝宴の席を設けますが…実は丹後守、噂に聞く遠藤の美姫を一目見ようと考え、狩りにこぎつけ佐世保城へ訪ねた訳です。





酒宴に席にて、「のう、但馬殿。貴殿には踊りの名手として知られる娘御がいるとの事、是非それがしも一度お目にかかりたいものであるの。」


これには但馬守も迷います。

如何せん、この丹後守殿は血筋も良いのだが、兄上であられる松浦鎮信殿や後藤惟明殿に比べると… どうも我が強い事で知られており何を言い出すか分かりません。

まあさすがにそれぐらいの分別はあるか、と自分に言い聞かせ、渋々姫に踊りを申し付けます。







正に、花に戯れし蝶の様に舞うその姿に、丹後守

の胸に劣情の炎が灯る。



「の…のう、但馬殿…それがしに…。わしに姫を嫁にくれぬか?」などと、とんでもない事を言い出します。


「いや丹後殿、その義は… その義は固くお断り申します。この白縫は赤崎伊予守殿との祝言が決まりし身。伊予殿への義理も立ちもうさん。ここは暖かく二人の祝言を祝う事をお願い致す。」


「むむっ、そうであるな…。戯れ言であった。但馬殿忘れくだされ。」と引き下がります。

これには、但馬守も姫も胸を撫で下ろします。




開けて翌日「それでは但馬殿、世話になったな。白縫姫もご健勝あれ。」と但馬守は居城たる飯盛城へと騎馬を向けます。







帰り道において、近習の古川治部左衛門と山本相模らは「殿も大人に成られたな、あの場で引かれるとは!」

「そうであるな、あの場でご無体を申されるとどうなって居たことやら…」などと申しておりますと。




「これ四郎。」

「はっ、何でござるか殿。」

と山田四郎が馬を寄せて答えれば。












「のう、四郎よ。赤崎を討つのと遠藤を討つのはどちらが難しいかの?」

後半に多少のヘビーな表現も含まれます。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ