生徒会長マジ怖い
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140 名前 生徒会長
緊急会議を始める。
141 名前 王人
みんな速報
やっぱ会長泣いt
142 名前 健太
「泣」!!
後で詳しく
143 名前 忍
予想はつくけどな
145 名前 会長
お前らあれか、もしや私のこと嫌いなんだな。今から結構真面目な話をするんだから、静かにしていろ。
146 名前 霰
会長、お久しぶりです
147 名前 会長
……ああ、短い文なのにどことなく見えない優しさを感じる。
何で男共はこれがないんだ。
148 名前 王人
え、いや、みんないつも霰には優しk
149 名前 健太
……それから彼の背中を見たものは、誰もいなかった
150 名前 忍
>>148
ちょw
151 名前 会長
よーし、貴様らの考えはよく分かった。分かったから聞け。
——さっきのお知らせは全員見たな?
どうしても見逃せない部分があった。生徒会執行部として、この状況下でのほほんと暮らすことはできない。
152 名前 健太
なに、拠点増やすって事?
153 名前 王人
違う。注目すべきところは、その前だ。
ダンジョンの主が……殺されたというところ。殺されたんだ。誰かが、殺しt
154 名前 忍
!!
155 名前 霰
……やっぱりそうなんですか
156 名前 健太
なんとなーく予想はしてたが……これで決まりってわけだな。
つまり、会長は……
157 名前 忍
>>156
つまり……何だ?
158 名前 健太
……まあ、アレがアレであれなんだろう。
王人よろ
159 名前 王人
分からないなら適当な事は言うなよ……
それと、今回の件は会長に任せる。本人やる気d
160 名前 霰
そういえば、ありがとうございます副会長。会長を連れてきてくれて
それと……あの、さっきから大丈夫ですか? 何か用があるならそちらを済ませれば
161 名前 王人
ああ、すまない。ちょっと隣でポンポン跳ねているやつがいてな。手が、揺れる揺れる。時々ぶつかってくるものだからタチが悪い。
気にしないですすm
162 名前 健太
ゼロハチイチイチ、繰り返す。ゼロハチイチイチで王人の周りに不穏な影が。
サポキャラだよな? そうだと言ってくれ!
163 名前 王人
すまない……一旦抜ける
164 名前 健太
せめて! せめてサポキャラなのかそうでないのか!!
165 名前 忍
……………本当にいなくなった
サポキャラだとは思うが……王人のサポキャラは見当がつかない。
それにあいつの事だ。万が一、ハーレム形成しだしたとしても今更驚かない
166 名前 健太
ケンタ ハ モエツキタ
>>165
あいつぶん殴る
167 名前 霰
健太先輩落ち着いてください。副会長がそんな事するはずがありませんよ。
庶務は適当な事言わないでください。『人』に迷惑をかける『人』は『ゴミ』ですよ
168 名前 忍
俺……何か悪い事言った?
169 名前 健太
いつものアレだ。我慢しろ
170 名前 忍
納得いかん。俺って凄く現実的な事を言っただけなのに。王人なら既に王女や貴族関係のご令嬢様とフラグたててもおかしくない
171 名前 霰
最近のゴミはよく喋りますね
燃えるですか? 萌えないですよ?
粗大なら、私が破砕してあげます
172 名前 忍
……
173 名前 健太
>>172
怒らせちゃダメだろ
スイッチ入れちゃダメだろ
174 名前 会長
だぁー!!
うるさい貴様ら! 少しは静かにしろ!
大体話がちっとも進まない!
お陰で考えがまとまったありがとう!
175 名前 健太
会長ヤケになりだしたぞ
静かにしろよ忍
176 名前 忍
……もう何も言うまい
177 名前 会長
では、今後起こりうるであろう未来を想定するぞ。
きっと、Cの11は近いうちに誰かのものとなる。それくらいはいいだろう、とな。
このまま行けばそれだけで済む。だが、それはあのいけ好かない美人さんが許しはしないだろう。もうすぐ、もうすぐ何かが……
——戦いの引き金がひかれる。
178 名前 健太
お、おおう……
179 名前 忍
そういえば先輩ですよね。美人さんに殺意が湧いているのは
180 名前 会長
当たり前だ。
私は行かなくていい、行きたくないと言ったはずなのに、それを無視したんだぞ。いいか? あいつ私の事無視したんだぞ!
絶対に許すまじ
181 名前 健太
き、きっと忙しかったんだろうなぁ〜
182 名前 霰
あれ? でも私が行きたくないっていうと、美人さんは異世界に行った場合のメリットを私に教えてくれましたよ。
183 名前 忍
>>182
それ言っちゃったら……
184 名前 会長
……いつか後悔させてやる
185 名前 健太
マジ怖い
会長が言うと重みが違う
186 名前 忍
>>185
絶対に何かしてくれそうって気がするもんな会長は
とりあえず
マジ怖い
187 名前 霰
それで会長、私たち生徒会執行部は地球で色々な揉め事を解決してきましたが、もしもその……戦い——この『異世界』で、『学生』同士の『戦争』が始まった場合、私たちはどうするんですか?
188 名前 会長
もちろん、止める。
言う事聞かない奴は、力づくで。一切遠慮はしない。
我ら生徒会の行動指針は『自己満足』!
我ら生徒会の信条は『我が道を行く』だ!
189 名前 健太
……殺してでもって事ね
マジ怖い
190 名前 忍
結局いつも通りって事だな
マジ怖い
191 名前 会長
貴様ら……コホンッ
具体的にどうするかは、もう少し詳しく計画を練りたいので後日。私たちだけじゃない。この世界の住人との関係も蔑ろにはできないからな。
——では、解散。
◇◇◇◇◇
「おいラピス、近づき過ぎだぞ」
体に密着するものだから、チャット切っちゃった。読むだけで我慢とな。
「もしかして……これが気になるのか?」
「ただ、ぎゅー」
なるほどわかった。
「時と場合を考えてくれよな。今日はちゃんと遊んであげただろ?」
「……」
だんまりですか……流石俺の娘。都合が悪くなったら保身に走るか。だが、それじゃあ世の中は渡れない。
このまま我儘娘に成長させないよう、なんとかしないと。
「よし、おいでラピス」
「んー?」
——俺は、まず玉座さんの所へ行き、ポイントを使ってスコップ1つと植木鉢2つと良質な土を出す。それらは食堂へ持って行き、さらに魔物召喚から成長の種を2体取り出した。
「……?」
「これはな、種だ」
「た、ね?」
「ああ、見えるか?
こいつはまだ小さい。とても……握り潰せるほどか弱い。でもな、育てれば育てるほど、こいつは大きくなる。
成長するんだ。
今はよく分からないかもしれないが、目を疑うほど大きくなる。
……ラピスはまだ芽が出たばっかりだからいい。けど、いずれ大きくなってくれよ。俺をビックリさせるくらいにな」
「……こーんな?」
ラピスは、自分の小ちゃな腕を、限界まで伸ばして円を空中で描く。
……そういう意味じゃないんだけど。
「やっぱまだ早かったか」
一応、頭を撫でておいた。
俺の腰よりも少し大きいくらいの背。無粋な事を言ってしまえば、ラピスはサポートキャラなので、これ以上身体面で大きくなるという事はないだろう。だが、心は違う。
……待とう。いつか大きくなったと、そう思える日をいつまでも。
「と、早速植えてみよう」
「おー」
土を鉢に入れる。意味はないかもしれないが、スコップでほぐしながら。
1つには赤色の種。ひし形という変わった形のそれと、もう1つは青色の種。こちらは綺麗なまん丸をしていた。
——指の第一関節の深さに2つを埋めて、その上から被せるように土で隠すと、ここで練習の成果生活魔法で水を出す。
……するとどうだろう。今の今さっきだというのに、もう芽が出てきたではないか。
赤の芽と青の芽が、競うようにその身をでかくする。
「お、おー!」
初めて見る光景に、ラピスは興奮が隠せないらしい。俺も実は初めてだから、ほんの少しだけな。
——2つの芽はぐんぐん見る見るうちに成長していき、ひょこっと、花が咲いたかと思うと、手乗りサイズの人間が目をつぶったまま現れた。
「よーく見てみろラピス。こっちの赤色が力の種を植えた……今はドリアードパワーの赤ちゃんってところだな。
そしてこっちが魔力の種、今はドリアードマジカルの赤ちゃんだ」
赤色の服を着たドリアードパワーと、青色の服を着たドリアードマジカルは、グッスリと眠っている。
気になったのかラピスが手を伸ばしたので、やんわりと止めておいた。
「ラピスだって眠ってるの邪魔されたら怒るだろう?
自分がされたら嫌な事を、周りにはするな」
「……ん」
今は俺の説教というより、ドリアードに夢中らしい。もう触りはしないだろうと思うが、限りなく身を寄せて見つめている。
「ラピス、このドリアード達は水がないと死んでしまう。毎日の朝と夜に水をやらないといけないんだ。
……あっちの水道から水が出るんだが、水やりはラピスに任せていいか?」
「っ……うんうん」
いい返事だ。
願わくば、命を育てる行為で、ラピスが成長してくれる事を願おう。
ラピスだってサポートキャラなんだ。見た目よりも幼いが、まるで赤ん坊みたいだが、そうでない事も知っている。ちゃんと考える力はあるし、きっと大丈夫だ。
「それじゃあ今日はもう寝よう。明日から水やりなんだから、早く寝て早く起きないとな」
「なるー」
———真夜中、ラピスはグッスリと眠った。まだ別々のベッドで寝るのは怖い(イヤ)らしく、一人分だけ空間の空いた隣で寝ている。
その寝顔を見ていると、こっちまで眠たく——と、ここで、俺の睡眠を邪魔する愚か者が現れた。
《王人》
異世界知識さん……の事じゃあない。
(ん……どしたぁ?)
《ダンジョンに入ろうとしてくる人間がいます。お気をつけて》
一気に眠気が飛んでいく。ベッドなんかで寝ている場合じゃないと、飛び起きた。
(どうして分かる……いや、そうだな。異世界知識さんだもんな。
——それで、相手の力量は? 立場は? どのくらいでここへ着く?)
《相手の力量はそこまでありません。王人が隠密を使えば楽に殺せます。立場は……普通の村の普通の娘です。貴族の血が流れているとか、特別な生まれでもありません。
後どのくらいかは……》
ベッドに腰をかけた俺の目の前へ、ディスプレイが現れた。同時に頭の中でサイレンが響き渡る。
warning、warningと不安になるような黄色の羅列が連続で表示され、最後大きく赤色で表示された文字は、侵入者。
《……今です》
マジか。どうしよう。
殺す? なんて物騒な。平和主義の俺に、普通の村娘をそんな事なんてできるか。
ディスプレイには、ダンジョンを監視できる映像と、自動で動く罠——今は全てOFFになっている——の解除と設定ボタン。それと手動で行う罠のボタン。なるほどね……こんな感じか。
とりあえず罠は動かさない方向で行こう。村娘がこのまま帰ってくれるとありがたいんだが……
「むにゃあっ」
——油断していた。
俺は思わぬ後ろからの攻撃に前のめりになって、あるボタンを押してしまう。
それはOFFになっているはずの落とし穴。それが今は、ONになっていた。
《あっ……》
村娘を監視していたはずなのに、瞬間移動でもしたかと疑うほどディスプレイの中から一瞬で消えてしまった。……そこは、落とし穴がある場所で……
「あ……ああぁっ!?」
急いで落とし穴をOFFに。まだ水も流れてないし蓋も閉じていない。つまり村娘は落ちただけだが……果たして女の身であの高さを生き残れるだろうか? 地球だったら大怪我、打ち所が悪ければ死———
《安心してください。村娘といってもハンター、狩人です。身のこなしは今の王人より確実に良いでしょう。
視界の悪く、いきなり落ちた事に対応が遅れてましたが、捻挫程度で済んでいます》
よ、良かったぁ。流石に後味が悪すぎる。殺すつもりがなかったのに殺してしまった、そんな報われない話は嫌だ。
《村娘はここがダンジョンだと分からずに入ってしまったみたいです。真夜中、それも雨の日だというのが理由でしょう》
雨なんだ。全然知らなかった。
少しはダンジョンから出るべきか? いや、異世界知識さんが教えてくれるからいいだろう。
《落とし穴にかかった事により、ようやく気付いたみたいですが……悪いですね。非常に悪いです。精神面が崩れかけています。
今は必死に助けを求めていますが……自分でもそんな事して無駄だと分かりきった上での行動です》
……どうする?
関わらないでおこう。そうすればダンジョン保有魔力も増えて万々歳——なーんて、助けないわけにはいかないよな。
じゃないと胸張って明日からラピスと一緒にいれない。それに、見捨てたなんて会長にバレたら半殺しにされるかもしれん。
……何と言っても、俺が助けたいと思っている。『助けられるから』助けたい。俺は、今までそうやって生きていた。それは、異世界でも変わりは無い。
「待っててなラピス。すぐに終わらせてくるから」
頭をひと撫で……さて、行きますか。
と言っても、まずは玉座さんからロープをポイントで出す。こういう必需品は安くて(?)助かった。
「はぁっ…はぁ……」
1階の落とし穴に近づくと、荒い息遣いがした。声出し過ぎて疲れたのかと思ったが、どうやらハンターは自力で落とし穴から出ようと試みてたらしい。今も俺と反対方向——だからこちらへ気づいていない——の急斜面(直角)を足使って手使って、後一歩のところで落ちてしまう。
……なんと、確かに今の俺なんかより全然身体能力は高そうだ。落とし穴高いと思ってたが、これは考えを見直さなければなら無いらしい。ちょっとした実力者には蓋を使ってギリギリというところか。
「おーい大丈夫か?」
ひとまず、声を掛けてみた。はぁはぁ言ってる狩人殿は、すぐに反応する。
「誰かいるのですか!」
「誰かいるぞ〜」
……コホンッ、他人と喋るの久しぶりだから、言葉がおかしく——あれ、通じるんだ。そういえば。
まあいい。美人さんが何とかしたんだろ。まあいいじゃなくて、どうでもいい。
「今からロープ下ろすから、それでいいか?」
「た、助かるです!」
俺はロープを下ろして、ついでにデュラハン先輩を召喚。そして隠密で隠す。
俺の力じゃ頼りないと思ったから、力持ちのデュラハン先輩に頼むことにしたのだ。結果何の問題もなく狩人殿を引き上げることに成功して、デュラハン先輩を戻した。
「いやぁそれにしても凄い偶然だったよ。何だか女性の声が聞こえたから来てみれば、こんなダンジョンに見目麗しいお嬢さんがいるなんて」
「……」
あれ、ワザとらしかったか?
「え、えっと……そう、偶々ロープを持ってて助かった!」
「……」
あ、あれあれ? 狩人殿は蹲ったまま何も喋らない。まさか、俺の正体がばれたのか?
馬鹿な。完璧な演技。俳優も真っ青なおれの演技力に騙されないはずがない。
「……あの、なんとか言ってくれないかな?」
「……」
「だからさ、こっちは1人でラピス待たせてんの。もし起きてオトーさんいないって泣き出したらどう責任取ってくれるんだ——って、ん?」
あまりにもおかしいと思ったので、肩を叩いてみるが何の反応もなし。これはもしやと狩人殿の顔を見れば……寝息を立てていた。
《度重なる危険に精神を擦り減らし、自分以外の人間がいたという事で一気に緊張が取れてしまったみたいです。
これは……後数時間は絶対に起きません》
……そっか。確か捻挫もしてるんだっけな。このままここに放置ってのも考えられないし、自室で異世界知識さんに処置の仕方を教わりながら様子を見よう。
——このまま人を負ぶって自室まで階段をのぼれる自身が俺にはないので、もう1度デュラハン先輩を呼び出す。
さっきのさっきという事で、デュラハン先輩から少し冷たい目で見られた気がした。
◇◇◇◇◇
一旦狩人殿を自室のベッドに寝転がし、応急処置をする為、服を脱がす。可哀想だから最低限の範囲内で。
その体に欲情する事は、あまりない。何だかラピスで慣れてきた。ラピス(見た目小学6年生)で慣れてきたというのもおかしな話だが、実際に風呂へ入ったりしてたらな……何だかんだ言って妹もいたし、と、半ば悟りを開きながら異世界知識さんに捻挫の対処方法を教わっている。
(……ところで、何で村娘が真夜中で、しかもこんなところに来たんだ?
もしかしてここって、その村の近くだったりする?)
《そんな事はありません。村はここからかなり離れています。
「ちょっとそこまで!」みたいなお散歩程度でこれる範囲ではありません》
(なんだ、家出でもしたのか?)
《……言ってもいいのですか?》
疑問文に疑問文で答えられ、一瞬迷う。「学校で習ったのかー! 」とキレればいいのか。ではなく、異世界知識さんがそう言った意味を。
確かに、今事情を聞いてしまったら、俺はこの狩人殿とギクシャクしてしまう気がする。
俺がココのスキルを聞かないように、これも聞かないでおこう。明日、目を覚まして本人から聞けばいいのだ。
傷を冷して10分程度くらい経ったので、次の工程に移った。
(これくらいでいいんだよな?)
《はい。元々何もしなくても大丈夫ですので、後は軽く包帯で固定しておき、安静にしてれば問題ありません》
(サンキュー)
全てが終わった後、体を拭いて服を着させる。起きた時に俺を味方だと信じてくれなければ、ラピスを見せれば納得するだろう。俺なんかと違って芯から純粋なラピスなら、信用するだろうから。
——本当に眠くなってきた俺は、元のベッドに戻って深い眠りにつく準備をする。明日——というより今日——ラピスが早起きすると思うので、俺も同じ時間帯に起きなければならない。水を与える量も教えてやらないと、やり過ぎは毒だからな。
(という事で異世界知識さん、3時間後に起こしてくれ)
《わたしは目覚まし時計ですか……》
俺は異世界知識さんがいる事に感謝して、そろそろ耐えきれなくなった瞼を閉じていく。
これでもまだ異世界生活2日目なんだよ……地球と違って随分濃い生活を送っている。ああ、そろそろココに会いに行こう。
……ココにこれから会う予定を考えた途端、狩人殿が心底邪魔に思えてきた。まあ……最低限……世話は見ない……と…な…………




