少年サッカー 第3話 短編版
週末、新横浜小で市大会の予選があった。コーチをやる気はなかったが、先日のコーチ会で聞いたシステムや審判の動きが気になって応援に行った。
横浜SCは 4-3-3。ユースケは左ウイング。相手は強豪の YM新横浜で、右サイドから鋭く攻めてきて、あっさりクロスから失点した。格が違う。
「これから、これから!」
村上コーチが声を張る。ユースケは攻撃されているのにハーフウェーラインで味方に声をかけ続けていた。
0対4で敗戦。だが浜田コーチが選手たちを褒めながらお弁当を食べさせ、少しずつ笑顔が戻る。
村上コーチが主審を務める次の試合が始まった。主審は常にボールの近くへ動き、副審は最終ラインとともにタッチラインを上下する。コーチ会で聞いた内容が目の前で理解でき、試合を見るのが楽しくなっていた。
その時、負けている側の応援席がヒートアップし、指示の声を飛ばし始めた。少年サッカーでは禁止されている行為だ。
ピィーーーー。
村上コーチが長い笛を吹き、応援席へ歩いていき、イエローカードを掲げた。
「応援席からの指示は禁止です。静かに応援してください」
校庭が凍りついた。だがその後、応援席は静まり、チームは逆転勝ちした。
試合後、相手チームの監督が礼を言いに来た。
「サッカー以外にも教えることは多いんです」
村上コーチの言葉が胸に残った。
解散後、代表の吉田さんに声をかけられた。
「お父さん、コーチお願いできますか?」
気持ちはもう決まっていた。
「はい、教えてください」
帰り道、ユースケに聞いた。
「なんで戻らずにハーフウェーで待ってたの?」
「全員がボールに行ったらカウンターできないでしょ。浜田コーチが“次を考えて動け”って言うんだよ」
学ぶことはたくさんありそうだ。
「ユースケ、お父さん、コーチすることにしたから」
「えっ……」
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