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4.私の友達

「全員A判定!YES―!家康いえャース!」

「解っていたけど、しっかり判定してもらうと安心できるよね。」

「若干変な発音してる気がするけど、とりあえず有難う」

「あなた様の過激なしごきのおかげです。もうあかんかと何回思ったか」


私は海野海月うんのみづき中三女子。

うみのクラゲと違うで、《《うんの》》や。

長野県の名族の血らしいで、知らんけど。


生まれ育ちは兵庫県のT塚、綺麗なショーが見れるオシャレな街らしい。

ショー見に行った事無いし、どこがオシャレな場所か知らんけどな。


諸般の都合というやつで、私は中2の二学期も終わりの頃

関東に引っ越してきた。

車に乗せられ今住んでる町に来た時の感想は『T塚と変わらんやん』

関西を田舎と思ってる関東民への説明な。

まあ、後で新宿や渋谷に連れて行かれた時には《《多少》》びびったけど。


そんな私が何してるかって?

同じ高校に行こうと決めた友達で勉強会や。

狙うは共学の中ではトップレベルの学校、しかも医療系受験コース!

凄いやろ。

え?辛気臭そうな受験生が集まっとるだけやないかって?

失礼な、集まってるのは男がチラ見してくるピチピチJC、

羨ましいやろ。

えっ?紹介しろ?まあええわ、こんな事縁がないやろう、

あんたらに私の友達を紹介したるわ。


まず、集まってる家の子

北村礼華 《きたむられいか》

横暴、我がまま、腹黒い。いらん事しぃ。

背が高い、ゴリラ、ケツでかい。

勉強は無茶苦茶できる。

腹立つ事に顔もそこそこ良い。

思いつくのはこれ位かな、同じ中学で最初に友達になってくれた子や。

先祖代々弁護士の家の子、

金持ちそうな家やと思ったら何と家政婦さんが居た!

家に家政婦さんがいるの初めてみたで。


高坂汐里こうさかしおり

おっとりしてるのに気が強い、雑、ホントに雑。礼華の子分

胸でかい、悪目立ちするほどデカい!

勉強もすごいできる、こいつも顔が良いのが腹立つ。

礼華が元居た別の中学校の子や。

元の学校ってエスカレータで大学まで行けるのに

礼華と同じ学校行きたいから受験するんやて。

気持ちわかるけど勿体ないような気もする。

駅前の眼医者さんの娘やけど、医学部行く言うたら親がえらい喜んだらしい。


桜井乙羽さくらいおとは

気が弱い、声がちっちゃい、ホンマにちっちゃい。礼華に惚れてる

背が低い、でも凹凸は私よりあるな悔しい。

勉強は私と同じくらい、顔はよう見たら可愛いと思う、下ばっかり見てるけど。

この子も汐里と同じ中学の子。

受験しんどないんやろか?どうしても礼華と一緒がええんやて。

私が礼華の悪口言うと本気で怒るからウザイ。

和菓子屋さんの娘さんやけど薬剤師目指んやて。


最後に私、海野美月うんのみづき

性格は自分ではわからんな、普通やと思う。

名前は本当は海月と書いて《《みづき》》と読むんやけど、

関東に来たのを機会に

読み方同じで漢字だけ美月に変えた。

転校の時、先生が妙な顔しとったけどな。

言うとくけど、アホなんは親であって私ではないからな。

オカンは美容師やっとる、クズの事は言いとない。

この友達の中に居ると貧乏際立つけど元気やで!

え、レディに見た目聞くんか?

中肉中背幼児体形、顔、は普通やろ言わせんな。

体形はこれから成長するからええんじゃ!


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「美月、どうしたの?」

「美月が静かなんて珍しい。今日は暖かいから?」

「人を古いエアコンの室外機みたいに言うな。

少し考え事してただけや。」

「今日のおやつは何かなって?」

「乙羽がお饅頭持って来たの皆知っとるやん。

違う、私もA判定取れたなって。」

「だろうと思ったけど、大阪の人ってこういう風に会話するんでしょ。」

「徹頭徹尾否定しとるやろ。

 感謝の言葉言おうと思たけど、もうしらん。」


T塚は大阪やないし、大阪含む関西人が

全部ボケとツッコミする訳ちゃうぞ。

乗ってまう私もアカンのやけどな。


「感謝の言葉?良いわね。褒めろ、褒めたたえよ!我をあがめよ!」

礼華が調子に乗って両手を上げ、変なポーズをする。

それを見た汐里と乙羽がクスクス笑っている。


「ほんまに、アンタは。でも自分でもできると思っとらんかった。」

「その”自分”は美月の事よね?私は最初から大丈夫だと思ってたわよ。

美月地頭良いもん」

「関西の自分と自分、まだ聞き分けられんか?適応力ないな」

「自分が貴方、になるなんて知るわけないし、同じ発音で二つの事を表すな!

あれ?何の話だっけ。」

「勉強教えてくれて有難う、という話。ホンマにもう知らん!」

何が面白いのかケタケタと笑っている礼華を見ながら心の中で感謝を伝える。


礼華の勉強はマジもんで凄い。

授業は聞いてます、のポーズ位で何やら他の事をしているクセに

急な質問にも答えるしテストは満点しか見た事ない。

ついでに教え方もうまい。

成績中の下、もう少し低かった私の成績がみるみる上がった。

『大半の教師が自分と生徒は違う事考えていて、違う方法が不正解とは

限らないと気が付かないのよね』

礼華に勉強の事を相談した時に言われた事だ。

『だから、教師は自分が正しいと思っている方法だけを教えようとする。』

その時の私は”?”の状態だった。

『相手の気持ちを考えてくれない人に教えてもらっても理解は進まないよ』

『結局どうしたらええの?』

『私が教えてあげる。解ってしまえば、テストなんて教師の考えを

見抜けば良いだけの楽々クソゲーよ』


礼華の言う事は今でも良うわからんけど、教え方はホンマに上手かった。

今までの先生方には悪いけど教え方一つでこんな違うか、と思う程

解りやすかった。

おかげさんで入学できそうや。

多摩近場高校、通称タマチカ。

学校名だけは何とかならんやろか。

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