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16.私の運命

保護者も来てるし、入学式からやる事でもないやろ、という事で

部活勧誘は校門の所でやってる先輩たちに任せる事になった。

さっき私が流した脂汗返せ。


私以外の新入生が保護者と合流し、撮影会や挨拶をしていると

校門の方から怒鳴り声が聞こえてきた。


「そやから保護者やいうとるやろ!娘連れてこんかい!」

良く知ってる、無駄に大きい声。二度と聞きたくない声。


ちゃんとスーツ着てるのに、チンピラにしか見えへんのは

当人の性格が出るんやろか。

私のクズやった。


門の所で先生と、部活勧誘やってた先輩達が止めてる。

校内には案内持ってないと入れんと説明してるみたい。


「アホか、父親や言うとるやろボケ。母親もおるやろ、はよ出せカス。」

でた、口癖、アホボケカス。これにイネ、とかクラワスぞ、

が加わると絶好調になりよるねん。


「クラゲや、クラゲ、わしの娘やクラゲ出せ。」

煩いんじゃ。自分が無教養で海月くらげなんて漢字使こたクセに

どっかで指摘されてから、『赤ん坊の頭がクラゲみたいやったから』と

勝手に言い出して、いつの間にかあいつの中ではそうなっとる。

確かに探しやすいやろ、クラゲなんて名前の子、おらへんもん。

私だけや。そんなん。


クズが校門の所で止められながらも、私の事を見つけようと

しているのがわかる。

あかん、見つかると思った時、校門と私の間に男の子が割って入ってくれた。


それで、隠れんとあかん!と思ったら礼華に話しかけられた。

「美月、落ち着いて。走ると目立つから私と一緒にゆっくり校舎に入ろう。」

礼華が腕を組んできた。

「大丈夫よ。私のママンが行ったから。何の心配もないわ。安心して。」

校門の方ではまだ大騒ぎしている。

遠くからパトカーのサイレンが近づいてくる。


校舎の中には汐里と乙羽もおった。

汐里が黙ってハンカチを出してくれた。

乙羽は背中をさすってくれた。

この子らに迷惑かけたらアカンわ。

「酷いな、今日でこの学校と近所の関西弁のイメージ最悪になったやん。」

笑わな。無理からでも笑わな。

「あれが私の運命やねん。逃げてもついてきよる。

こんなんに巻き込まれたらあかん。今日まで有難う。

もう付き合うのやめよう。」

笑えた、笑ろて言えたと思う。


「運命?何バカな事言ってんのよ。」

礼華がケラケラと笑い出した。

こっちが落ち込んでるのに、と腹が立つくらい明るい笑い方やった。

「運命なんて無いの。もしあったとしてもぶん殴って変えちゃえば良いのよ。

まして、あんなツマラナイ事、簡単に払いのけられるじゃない。」


アンタは何もわかってない!と腹がたったけど、不思議に安心できた。

礼華の謎の自信だけはようわからん。

気が付いたら汐里に顔を拭かれてた。

アンタの拭き方は雑やねん!自分のハンカチ位持っとるわ!

そう思とるのに口も手も動かんようになった。


校門には警察が到着したらしけど、まだ揉めてるみたいや。

礼華がどっかに手を振っとるな、と思ったらさっき

私を隠してくれた男の子、射和翔太君やったっけ、やった。


私がそっちを見たら、ニコってして校庭の保護者の方へ

歩いて行った。


なんか力が抜けてきた。

礼華、汐里、乙羽、、翔太君、ありがとう。

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