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陽と月  作者: 如月いさみ
全国巡回駐在員

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親の事情子の事情 14

 勇気も男を一瞥して黙って駐在所へと向かった。

 二人は村の中を歩いていたものの外に出る人の姿はなく閑散として静寂が広がっていた。


 その所々にまるで見張るように海外の男たちの影が見て取れた。


 その夜、陽は坂口信一郎と共に村長の家に行き挨拶をして駐在所へと戻った。

「一応、公務員なので接待は……それに息子も待っているので」


 そう体よく断り早々に帰ったのである。

 翌日、陽は勇気に

「悪いが今日もありさちゃんと一緒に遊んでおいてくれるか?」

 と告げた。


 勇気は坂口ありさを見て笑むと

「わかった」

 と言い強く陽の手を握りしめると

「あの、俺……叔父さんのことさ、もう一人のお父さんだと思ってるから、絶対絶対に気をつけてな」

 と告げた。


 陽は驚いて目を見開くと微笑んで

「勇気、お前は本当にできた子供だな。ありがとう。わかった」

 と頭を撫でて、坂口ありさに

「今日も勇気をお願いする」

 と言い

「そうだ、村の人たちと交流させてもらえると助かるけど」

 と告げた。


 坂口ありさは頷くと

「わかりました」

 叔父さんのことお願いします、と頭を下げて勇気と手を繋いで立ち去った。


 陽はそれを笑顔で見送ると息を吐き出して

「さて」

 と坂口信一郎を見た。

「あの女性が誘ってくれたリーガルハイアット会社にでも見学に行くか。4年前には無かったからな」

 笑顔で告げた。


 その意味。


 坂口信一郎は表情を改めると

「はい」

 と答えた。


 二人が駐在所を出ると男たちがその後を追うように付けていたのである。


 リーガルハイアット会社。

 その建物は長閑な漁村には似つかわしくない大きく威圧的な箱型の工場のようなビルであった。


 まるで漁村を支配しているような趣があり、周囲は高い壁に覆われ表と裏に門がある。それぞれ海外の人間の管理人が門番ように建物の出入りを見張っている状態であった。


 陽は坂口信一郎と共に昔ながらの鄙びた建物が並ぶ道を進み一気に開けた視界の先にある門の前へと立った。


 それに管理人の男性が走って姿を見せると

「What do you want?(何の用だ?)」

 と二人を見た。


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