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陽と月  作者: 如月いさみ
全国巡回駐在員

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親の事情子の事情 4

 赤木勇介は携帯を切って大きく息を吐き出すとメガネを軽く押し上げて

「すみません、ちょっと……『今日は』帰ります」

 と告げた。

「鷹司から電話があって、勇気が保護されたって言うので島から飛んできて引き取って俺の家で待ってくれているんで」


 萬田横柄は笑って

「そうか、鷹司か。俺も会いたいが……」

 と周囲の人々を見た。


 佐々や他の面々もにやりと笑った。

 元々、陽はソタイ出の人間なのである。全員顔見知りなのだ。


 萬田横柄は赤木勇介に

「鷹司に島へ帰る前に寄れと言っておいてくれ」

 と告げた。


 赤木勇介は笑って鞄を手に上着を羽織ると

「わかりました、明日、俺の出勤に合わせて寄らせますよ」

 と言うとフロアを後にした。


 陽は赤木家で勇気と夕食を作りながら赤木勇介とやはり電話に驚いて飛んで帰ってきた静香を出迎えた。


 夕食は鍋焼きうどんとから揚げであった。


 赤木勇介は食事が終わると陽に

「本当に迷惑をかけてすまない」

 と頭を下げた。


 陽は笑うと

「良いさ、それよりさ。お前ら二人とも帰らない日があるって本当?」

 と聞いた。


 それに関しては静香が小さく頭を下げて

「それが、私も……裁判の資料とか打ち合わせとかで……ごめんね、勇気」

 と告げた。


 勇気は俯いたまま顔を上げなかった。

「俺も……ごめんなさい」

 とだけ、小さな声で呟いた。


 陽は三人を見ると意を決したように

「あのさ、俺が勇気を島で育てる……事情話して学校には行けるようにするし、まあ、二人は夏休み取れたら遊びに来い」

 と告げた。


 赤木勇介は驚くと

「え!? いや待て待て待て! それどういう意味だ!?」

 と告げた。


 陽はあっさりと

「島だったら俺もいるし千代もずっといるからな。赤木、わかったな」

 と告げた。


 赤木勇介は言葉に詰まると静香と顔を見合わせた。


 勇気は二人を見ると

「俺、行く。島で暮らす」

 と告げた。


 翌日、陽は勇気を一旦学校に送り出し教科書とかを持って帰るように言いその間に赤木勇介と警視庁へとあいさつに向かった。


 車を運転しながら赤木勇介は

「すまないな、鷹司。お前にイヤな役割やらせたな」

 と告げた。


 陽は笑って

「俺も警察官だ。わかるからな。静香さんの仕事も同じだ」

 と言い

「まあ、当面の間は勇気のことは任せておけ」

 と告げた。


 そして、挨拶をすると勇気を迎えに行き島へと戻った。

 勇気は直ぐに島の生活に馴染み、川や山菜取りに勤しんだ。

 もちろん、学校にも行き島の子供たちとも直ぐに友達になり島を駆け回った。


 ただ、駐在所には絶対に近付かなかったのである。


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