親の事情子の事情 3
到着は羽田第一ターミナルであった。
陽はそこから東京駅に向かうバスに乗り時計を見ると
「ひー、やっぱり6時にしておいてよかった」
と言い、保護してくれていると言ってくれた東都成城高校へと向かった。
空は既に宵闇が迫り全てが赤く染まっている。
陽は成城駅から飛び出ると高校へと向かった。
高校の指導室で赤木勇気はちょこんと座り俯いたままじっとしていた。
何かを話すでもなく。
出された昼ご飯にも手を付けていなかった。
陽は保護してくれた教師に礼を言い指導室へと入った。
「勇気」
赤木勇気は顔を上げると両手を広げると椅子から飛び降りて抱き着いた。
「俺、父さんも母さんも嫌い!! 大っ嫌い!! 叔父さんなんで来なくなったんだ!? 俺のこと嫌いになったから?」
陽は腰を下ろして抱きしめると
「何で勇気のことを嫌いにならなきゃダメなんだ?」
と言い
「勇気のお父さんもお母さんもさ、町の人や国の人たちのために懸命に働いているんだ。わかってやってほしいけど……難しいか」
と抱き上げると教師を見て頭を下げた。
「ご迷惑をおかけしました」
教師は息を吐き出し
「くれぐれも注意してあげてください」
と告げた。
陽は笑顔で
「はい、ありがとうございます」
と答え、既に闇が広がり始めた外へと勇気を連れて出た。
「赤木んちに帰るぞ。それから……なあ、島に来るか? 東京みたいにゲームなんかさせないし、遊園地なんかないけどな。でも釣りや千代が山菜取りに連れて行ってくれるって言ってる」
勇気は目を見開くと陽の手を握りしめて
「いいの? 俺のこと怒ってない? 叔父さん、島から飛んできてくれたんだろ?」
と告げた。
陽は笑うと
「怒ってる。けど、寂しい気持ちはわかるからな。たださ、もう二度とするなよ?」
と告げた。
勇気は頷いた。
「うん、ごめんなさい」
陽は頷いて
「赤木と静香さんにもそうやって謝るんだぞ」
と告げた。
勇気は頷いた。
その事に腰を抜かしたのは赤木勇介であった。
「は? 勇気が……補導? え? 保護??」
それに組織犯罪対策部組織犯罪対策第五課第一係長の萬田横柄がギョッと机に座りながら赤木勇介を見た。




