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陽と月  作者: 如月いさみ
陽と月

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71/111

終局 3

「まあ、取り敢えず13年前の事はここまで分かれば放火殺人の線で再捜査許可が下りるだろう。鷹司のことも気になるし今は通常業務に戻ってそれぞれ今回の事の報告書類を作ってくれ」


『赤木はその足で鷹司の元へ行け。くれぐれも周囲には注意しろ。なるみが口沿いで昇進した人間は幾人かいる。赤木の報告書は佐々が頼む。悪いがその辺り頼む、戸田』

 

 戸田は頷くと敬礼し

「了解しました」

 と答えた。

 それに倣って勇介も萬田も佐々も敬礼をすると

「「「「了解」」」」

 と答えた。

 

 陽は月に連絡を入れると自宅へと呼んだ。


 月は陽から話を聞きハンカチを手に鷹司家へと姿を見せた。

「日和さんの為なら俺は全然かまわない。日和さんを犠牲にするわけには行かない」

 

 陽は俯いた。

 

 月はハンカチを見せると

「けど俺が持っているのはこのハンカチだけなんだ。父が俺を起こした時に握らせてくれたのがこれだけでパジャマは眉山旅館のおじさんが処分したんじゃないかと思うけど俺は直ぐに千代ちゃんの服を着せられて翌日にはおじさんと島を出たから」

 と告げた。

 

 陽はハンカチを見て

「この血は」

 と聞いた。

 

 月は「多分、お父さんだと思うけど」と告げた。

 

 陽は息を吸い込み

「けど、これがあれば月のおじさんが死ぬ前に襲われたことは証明できる」

 と告げた。

 

 その時、月の携帯が震えた。

 月は携帯を見ると

「誰だ?」

 と呟きつつも応答に出たが音が響くだけで声はなかった。

 

 陽は暫く聞き

「もしかして、姉貴とか?」

 と月を見た。

 

 もしかしたら日和が動ける範囲で掛けてきたのかもしれない。

 

 月は録音し音に耳を傾けた。

 陽も耳を傾けた。

 

 ガンガンと音が鳴っているだけである。

 だが。

 陽は不意に

「なにか蹴ってるのかもしれない」

 と呟いた。

 

 月は目を閉じると沈黙を守り

「この音の反響の仕方はかなり広い空間だと思う」

 と呟き

「それにコンクリートの作りじゃない……プレハブの中の反響音」

 と告げた。

「どこか倉庫の中の反響音だと思う」

 

 陽は月と顔を見合わせると家を飛び出した。


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